重要無形民俗文化財「南薩摩の十五夜行事」 - 網引きなどの特殊な行事、集落あげて盛大に
南薩摩の十五夜行事(みなみさつまのじゅうごやぎょうじ)
種別1:風俗慣習
種別2:年中行事
公開日:毎年旧暦8月15日
指定日:1981.01.21(昭和56.01.21)
都道府県:鹿児島県
所在地:枕崎市、南九州市知覧町、南さつま市坊津町など

旧暦8月の十五夜の月を祭る行事は、我が国で広く行われてきている。南薩摩の十五夜行事は、こうした行事のなかでも、特に鹿児島県の薩摩半島南部の地区(枕崎市、南九州市知覧町、南さつま市坊津町など)において行われる網引きなどの特殊な行事で、男の子ども組を中心に集落をあげて盛大に行われる点でも注目されるものである。

十五夜の大綱は、長さ100メートル余にわたることが珍しくない。綱は茅で作られるが、その材料集めを茅引きといい、子ども組が何日もかかって山から刈り集めるもので、刈った茅の束を頭からすっぽりかぶって体を覆い、列を組んで下山する姿に特色がある。

綱を綯うのも大がかりで、やぐらを組み、集落の人びとが総出で行うが、特に若者が加勢して1日がかりで行われる壮観無比の力の行事である。

夜になると、この聖なる大綱を子ども組が裸で綱引きをする。

また、子ども組による十五夜踊りが坊津町や知覧町に伝承されている。特に知覧町のものは、ソラヨイともいい、子ども組が裸の上に、藁製のカサ・ミノ・ハカマをつけて踊る。

その中でも知覧町中福良では、ワラコヅミという大きな傘を立て、それを回りながら踊り、最後に傘を引き倒すと、中から年長の子どもが現われるという、極めて特異な行事である。

この行事は、月を祭る地域的特色の濃厚な盛大な民俗行事であり、男の子ども組が中心になって行なわれている点でも注目されるものである。

保護団体名:枕崎市十五夜行事保存会、知覧町十五夜行事保存会、坊津町十五夜行事保存会
重要無形民俗文化財「南薩摩の十五夜行事」 - 網引きなどの特殊な行事、集落あげて盛大に
【関連記事】
鹿児島県の重要無形民俗文化財 - 都道府県別に整理