奈良時代に熊野から勧請、それ以来の特別大祭「マツリバ行事」が有名な古社
[住所]岩手県一関市室根町折壁字室根山
[電話]0191-64-3462

室根神社(むろねじんじゃ)は、岩手県一関市室根町の室根山にある神社。御朱印の授受などは行っていない。本宮と新宮がある。

その特別大祭は実に奈良時代の本宮勧請時から続くとされる、東北三大荒祭の一つで、「室根神社祭のマツリバ行事」として、国の無形重要民俗文化財に指定されている。

本宮は、養老2年(718年)、元正天皇の勅命を受けた鎮守府将軍である大野東人が、蝦夷幸福の祈願所として、紀州(和歌山県本宮町)から熊野大社(熊野本宮大社)の御神霊を迎え祀ったことに始まる。

新宮は、正和2年(1313年)、陸奥の守護職である葛西清信が、奥七郡(磐井郡・江刺郡・胆沢郡・気仙郡・本吉郡・登米郡・牡鹿郡)の鎮守として、紀州(和歌山県新宮市)から、熊野速玉大社の御神霊を迎え祀ったものである。

その特別大祭は、およそ1300年の歴史を有し、祭事に奉仕する神役は古からその末裔が携わるなど、旧態を伝承・継続している。

祭り行事は仮宮の所在する「マツリバ」で2基の神輿による先陣争いがあり、扇の舞・鈴の舞の奉納がされる。仮宮の外側にはババ(馬場)が設けられ、荒馬先陣・ホロ(袰)先陣やダシ(山祭ともいう)の行列がある。

これらマツリバ行事を含めた一連の祭りは、代々家々が守り継承する厳格なジンヤク(神役)制によって分担され、神輿の先陣争いといった独特な古くからの祭りの形態を色濃く留めている。

その神役が参拝するのが南流神社。当社よりも古く、和銅3年(710年)に勧請されたもので、往古は南流山観音寺と呼ばれ、日本武尊の討伐した鬼神や戦死者の霊を弔ったと言われている。

源義経、弁慶も戦勝祈願に平泉から馬を飛ばして二度参詣に来ているという。伊達藩の戦時三大祈願所の一つともされており、現在でも、合格(入学、進学、就職)祈願、必勝(スポーツ、各種競技など)祈願の参詣が多い。

本宮には「金の鈴」、新宮には「銀の鈴」がある。いずれも高さ35センチ、直径31センチと巨大なもの。

本宮で「金の鈴」を鳴らして願をかけ、新宮で「銀の鈴」を鳴らして願をかけると願いが叶うと言われ、「ヤル気」が出てくるという。

なお、当社は進藤彦興『詩でたどる日本神社百選』に掲載されている。

【ご利益】
合格・必勝
室根神社 - 奈良時代に熊野から勧請、それ以来の特別大祭「マツリバ行事」が有名な古社
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