おおはらえ
ナショナルデパート株式会社が2015年7月27日より、スマートフォンから穢(けがれ)を送信して神社でお祓いができる無料のWebサービス『おおはらえ』をオープン。大祓神事は備前国総社宮で行うとされましたが、その後すぐに同宮の総代との間にトラブルが発生して、少しばたついております。

トラブルにより、イベントは中止されましたが、ナショナルデパートと備前国総社宮そのものの関係は依然良好のようで、『おおはらえ』そのものはサービス継続。

『おおはらえ』には、スマホ上からケガレを送信する「スマホおおはらえ」と、人形を購入してケガレをうつして神社に返送する「Webおおはらえ」のふたとおりのエントリー方法があります。

ただし、備前国総社宮の公式サイトでは、下記の告知があります。
おことわり

当宮とナショナルデパートとは一切関係ありません。
ナショナルデパートがおこなう当宮名の入った製品の販売等については当宮は責任を負いません。

宮司 武部聡明(公式HP
両者の関係はイマイチ不明ですが、ナショナルデパートではもともと神社支援事業を展開しており、
全国の歳入減少・参拝者が伸び悩む神社を広く支援するために創設されたものであり、そのテストパターンとして従来関係のあった備前国総社宮さまと協業していたものであります。(ナショナルデパートのプレスリリース(2015/8/2)
とのこと。その趣旨自体は決して悪いものではありません。

さて、スマホでお祓いができる、ということの是非について、インターネットの一部で議論が盛り上がっています。ざっと見たところ、肯定派否定派半々と言ったところでしょうか。

アリ? ナシ? で言えば、アリだと思います。そもそも日本の神様は、杓子定規なものではなく、極めて柔軟性があり、融通も利き、多様です。それが、日本の国民性にもつながっています。

スマホも現代のコミュニケーションである以上、神とのコミュニケーションの場でもある神社での神事を、何らかの形でスマホ上で実現することは、不可能ではないと思います(様々な難関をクリアしなければなりませんが)。

もちろん、神社に実際に行くこと、これが第一です。ただ、現実的に神社に行くことが難しい場合が多々あるのも現代。神とのコミュニケーションがなくなるよりは、多種多様なツールがあってもよいと思うのです。

しかし、今回のように、神社側とトラブルが発生するような形では、誰も得せず、神様も呆れ顔でしょう。そうならないような、八方円満な方法が期待されます。

また、必ずしも、全国的に有名な神社がご利益が大きいというわけではなく、基本は地元の氏神様を大事にすること。これがまず第一です。

いわゆるパワースポットは、実はそれぞれの人の地元の氏神様こそが、その人にとって最強のパワースポット、という可能性が一番高いように思います。

さらに言えば、地元の氏神様を大事にしない方が、いくら全国的に有名な神社やパワースポットに盛んに通ったとしても、あまり効果がないように思います。

地元の氏神様であれば、スマホに頼る必要はありません。ちょっと思いついた時でも、ちょっとした散歩がてらでも、気軽に(とは言っても、敬意を失ってはなりませんが)参拝する、というのでも効果は高いものです。

氏神様に有名、無名は関係ありません。初心に帰ること。境内にご由緒があるのであれば、ゆっくり読んで、咀嚼するのもまた一興。

その上で、遠隔地の自分に必要なご神徳のある神様にお願いする。そのためには、当然その神社についてや御祭神についてもある程度勉強しなければなりません。そうして、実際に参拝するのが難しい場合、スマホなどのツールがあると良いのかな、と思います。