祟り神を祀ると明記される神社、現在も丁重に祀られる蒲池氏
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[住所]福岡県柳川市稲荷町214
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二宮神社(にのみやじんじゃ)は、福岡県柳川市にある神社。

天正9年(1581年)5月27日、柳川城主である蒲池鎮漣は竜造寺隆信に殺され、柳川城を守った弟の統安も戦死、子の蒲池宗虎丸(蒲池久鎮、蒲池統虎)は沖端の漁師の家で殺されて、一家全滅となった。

戦国時代にはありがちな話だが、当地での合戦後、この地を治めた竜造寺一門に度々不吉な兆候があったので、竜造寺氏は鎮漣、統安の霊を慰めるためにこの地に社を建て、その冥福を祈ることになった。それが当社である。

以上は当社境内にある掲示板の説明であるが、史実によれば、いずれの蒲池氏の死もほぼ謀殺であり、竜造寺氏に後ろめたさの残るものであったようだ。怨霊などあまり身近に感じなくなった昨今ではあるが、当時は実際に祟りと考えられるものがあったのだろう。

嫡子の宗虎丸の死が蒲池氏にとっては痛い、というか、怨霊の根源だろう。一族の命運を断たれた形であり、諸氏が指摘するまでもなく、怨霊発生の第一要因。もちろん、それそのもの、というより、“竜造寺氏の後ろめたさ”という意味で。

これほどはっきりとした、日本の神社の典型的な建立要因を伝承として残すのも実は珍しい。その意味で希少な事例と言えるし、当時からごまかしえない何か切羽詰ったものがあったことがうかがえる。

御祭神は、鎮漣、統安とされるが、一部の資料では宗虎丸も祀られる、とする。これは話が逆で、主祭神は明らかに宗虎丸であり、手厚く祀るから、鎮漣、統安らに祟らんでくれ、とお願いする当時の竜造寺氏の姿が見えてくる。

神社正面の石造鳥居をくぐると、まず目を引くのが左手にある亀に乗った浦島太郎の石像。また、鶴の石像もある。伝承として残っていなくても、死した宗虎丸があの世で長寿でありますように、という願いが込められているようだ。

拝殿は入母屋造平入で正面向拝に唐破風、その上に千鳥破風を頂く。拝殿から幣殿、流造の本殿と、すべて板壁で覆われ一体となっており、実に風情のある趣。当地の人がいかに宗虎丸の不慮の死を悼み、恐れたかがうかがえる、立派なつくりを今に伝える。

なぜ二宮神社なのか。手元に資料はない。鎮漣、統安の「ふたみや」を祀る神社という意味か。であるならば、本来の宗虎丸を秘したい思惑がその社号に隠れていると言える。

男性アイドルグループ「嵐」(ジャニーズ事務所)のメンバー二宮和也の名前を冠する神社の一つ。嵐神社として有名なのは兵庫県神戸市の同名神社

【ご利益】
一切の災厄祓い、延命長寿、家内安全・円満など
二宮神社(柳川市) - 祟り神を祀ると明記される神社、現在も丁重に祀られる蒲池氏
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