大元神楽(おおもとかぐら)
種別1:民俗芸能
種別2:神楽
公開日:6年に1度など(超レア
指定日:1979.02.03(昭和54.02.03)
都道府県:島根県
所在地:桜江町

島根県邑智郡の旧・桜江町に伝わる、大元神の信仰による採物神楽の一種で、5年、7年もしくは13年に一度(総じて、6年に1度との言い方が多い)のムラごとの式年の祭りに執り行なわれる。

本来は大元神の仮屋(舞台三間四方に新しい畳を敷く)を設けて舞場としたが、今日では氏神の拝殿もしくは民家の座敷を祭場として、大元神を勧請して舞う。

演目は祭儀的な舞や採物の舞と演劇的な要素の濃い神能とに大別される。

舞には「四方固」「太鼓口」「汐祓」「剣舞」「手草」「御座」「綱貫」「成就神楽」などがある。

これらは昔からの慣例に従って、別の大元神の神職役同志が互いの神楽を手伝い合う組が出来ており、都合のよい神職役が7-10名ぐらいで一団を結成する。

神能は「岩戸」「弓八幡」「蛭子」「塵輪」「八咫」「武御名方」「天神」「佐陀」などで、大元神楽の行なわれるムラの有志がこれを受け持ち、適宜に役を割り当てて演じる。

藁蛇による神懸りと託宣も行なわれる。囃子には大太鼓、笛、銅拍子が使用される。

この神楽は採物神楽の一つとして、非常に古風な内容を持ち、地方的特色が顕著で、きわめて重要なものである。

神楽であるとともに、特殊な神事であり、神との共演が必須のために、この土地でしか実演できない。

大元神(だいげんしん、おおもとのかみ)は荒神とともに、村の守護神として信仰されてきた。神木に蛇わら(蛇ではなく龍の場合もある)を巻きつけた状態で祀られ、開拓祖神だといわれている。

蛇は東方をつかさどり、太陽神ということから稲の豊穣を願ってきた。道教色が強いとも言われるが、国常立尊(クニノトコタチノカミ)、天御中主神(アメノミナカヌシノカミ)に擬されることもある。

保護団体名:邑智郡大元神楽保存会
重要無形民俗文化財「大元神楽」 - 6年に1度、神と共演するこの地でしかできない神楽
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