御所市、コトシロヌシの本源、「ススキ提灯」で知られる式内名神大社
[住所]奈良県御所市宮前町514
[電話]0745-62-2176

鴨都波神社(かもつばじんじゃ)は、奈良県御所市宮前町にある神社。積羽八重事代主命下照姫命を主祭神とし、建御名方命を配祀する。

『延喜式神名帳』にある「鴨都波八重事代主命神社二座(大和国・葛上郡)」に比定される式内社(名神大社・月次相嘗新嘗)。近代社格では県社

葛城氏・鴨氏によって祀られた神社で、高鴨神社が高鴨社、葛木御歳神社が中鴨社に対して、当社は下鴨社とも呼ばれる。

事代主神は元々は鴨族が信仰していた神であり、当社が事代主神の信仰の本源となる。桜井市の大神神社に祀られる大国主の子に当たることから、「大神神社の別宮」とも称される。

下照姫命については、事代主命とともに祀られることに一部で疑問がある。

いずれも大国主命の子とは言え、下照姫命の場合、兄阿遅鉏高日子根神、あるいは夫天若日子とのペアが知られ、事代主命と組むことは珍しいため、もとは下照姫命ではなく、別の神が祀られていたとする説もある。

当社の古い社名は鴨弥都波(かもみつは)であり、「鴨の水際(みづは)の神」と解せる。当地は葛城川と柳田川の合流地点であり、もとは水神を祀っていた可能性がある。彌都波能売神などか。

また、『先代旧事本紀』にある事代主命の妹である高照姫命が祀られていたのが、後世になって下照姫命と混同されたとする説もある。

ただし、高照姫命=下照姫命とする説もあり、そうなると、前提となる事代主命と下照姫命の関係もやはり同母兄妹となり、違和感がなくなる。

社伝によれば、第10代崇神天皇の時代、勅命により太田田根子の孫の大賀茂都美命(大鴨積命)が創建した。

一帯は鴨都波遺跡で、弥生時代の土器や農具が多数出土しており、古くから鴨族がこの地に住みついて農耕をしていたことがわかる。

なお、大賀茂都美命は御所市の多太神社に祖父を奉斎した、とも。当社は『延喜式神名帳』のほか、巻3「臨時祭」では「鴨神社 二座」と記されている。

大正10年(1927年)に県社に列した。

夏祭り(7月16日)と秋祭り宵宮(10月体育の日の前々日の土曜日)に、五穀豊穣・家内安全・無病息災を祈願し、氏子地域から「ススキ提灯」と呼ばれる30基余りの提灯が奉納される。

いわゆる「鴨都波神社ススキ提灯献灯行事」で、県の無形民俗文化財に指定されている。また、秋季大祭本祭の体育の日の前日に行われる「神輿渡御行事」も有名。

【ご利益】
商売繁盛、五穀豊穣(公式HP
鴨都波神社 - 御所市、コトシロヌシの本源、「ススキ提灯」で知られる式内名神大社
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