鹿島神宮で横綱・白鵬による奉納土俵入りが2015年6月6日午前11時半から行われる - 鹿嶋市
横綱・白鵬による奉納土俵入りが2015年6月6日午前11時半、茨城県鹿嶋市宮中の鹿島神宮の本殿前で披露されるそうです。鹿島神宮で土俵入りが奉納されるのは初めてのことと言います。毎日新聞が報じています

報道によれば、鹿島神宮の関係者は「相撲にゆかりの深い鹿島神宮で、角界最高峰の白鵬関が、土俵入りを奉納していただけるのは、大変意義のあることだ」と話しているそうです。

鹿島神宮、タケミカヅチ、と相撲?

確かにタケミカヅチは日本神話最強の武神であり、武道全般の神と言えますので、相撲もその中に入りますが、やはり剣の神としてのイメージが強く、正直、少し遠いのでは? と思ってしまいます^^

だから今回が初めての土俵入り奉納なのではないでしょうか。

しかし、報道にある通り、日本神話の中でも『古事記』だけに記された、名場面があります。国譲りの一部のお話で、ある意味では古事記の中でもクライマックスの一つ。タケミカヅチ VS タケミナカタです。
如此白之間、其建御名方神、千引石擎手末而來、言「誰來我國而、忍忍如此物言。然欲爲力競。故、我先欲取其御手。」故令取其御手者、卽取成立氷、亦取成劒刄、故爾懼而退居。爾欲取其建御名方神之手乞歸而取者、如取若葦搤批而投離者、卽逃去。故追往而、迫到科野國之州羽海、將殺時、建御名方神白「恐、莫殺我。除此地者、不行他處。亦不違我父大國主神之命。不違八重事代主神之言。此葦原中國者、隨天神御子之命獻。」
“偶然?”にも数百キロの彼方とはいえ、鹿島神宮の真西に位置する諏訪大社の謂れにもなっている部分です。ちなみに、鹿島神宮と諏訪大社は北緯35度58分というライン上にあります。

簡単に意訳すれば、腕を取りに来たタケミナカタに対して、刀剣の神であるタケミカヅチは、その腕を氷柱に換え、タケミナカタを怖気つかせた上で、今度はタケミカヅチがタケミナカタの腕を取り、ぐしゃりとひねりつぶし、さらにタケミナカタの体ごと放り投げた、というもの。

敗退したタケミナカタは逃げに逃げて、諏訪まで逃げ込んだ、ということになります。

言われてみれば、相撲の原型のような話にも思えなくはないですが、どちらかといえば、タケミカヅチの剣としての性質(腕を氷柱に換える)、その怪力を示すもののイメージが強くて、相撲とは今まで直接結び付きませんでした。

何はともあれ、現代最強の横綱の土俵入り奉納、タケミカヅチも喜ばれることでしょう。

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