ホーランエンヤとは、城山稲荷神社(島根県松江市)で12年に1度開催される式年神幸祭(式年祭)の祭事。漢字では「宝来遠弥」あるいは「豊来栄弥」の字をあてる。

松江城稲荷神社の御神体を載せた船団が大橋川から意宇川を通って阿太加夜神社に渡る渡御祭、阿太加夜神社において櫂伝馬奉納などが行われる中日祭、再び御神体を載せた船団が城山稲荷神社に還る還御祭の三つの祭礼から構成される。

櫂伝馬船での「櫂伝馬踊り」は松江市指定無形民俗文化財に指定されている。大阪天満宮(大阪市)の天神祭厳島神社(広島県廿日市市)の管絃祭とともに日本三大船神事の一つ。

慶安元年(1648年)、出雲国で大規模な凶作となったことを受けて、当時の松江藩主の松平直政が城山稲荷神社の御神体を船に載せて阿太加夜神社まで運び、五穀豊穣を祈願する祭礼を行ったのが起源。

当初は10年周期で行われ、途中で12年周期(ただし、数えで12年の為、正しくは11年毎)に変わったが、周期通りに執り行われないことも多く、正確な回数は不明である。

2007年から2011年にかけ松江市では「松江開府400年祭」が開催されたが、2009年に行われるホーランエンヤはそのメインイベントの一つとなった。

ホーランエンヤの櫂伝馬船には地区ごとに一番船から五番船までがある(これは船行列の順序とは異なる)。

一番船(馬潟地区)
二番船(矢田地区)
三番船(大井地区)
四番船(福富地区)
五番船(大海崎地区)

このほかに神輿船をはじめ、複数の神器船・神能船・神楽船などが、100隻以上の船が船団を構成する。平成21年(2009年)は先頭から、大海崎-福富-大井-矢田-馬潟の順だった。
ホーランエンヤ(島根県)とは? - 松江市の城山稲荷神社で12年に1度開催される式年神幸祭
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