管絃祭(かんげんさい)は、旧暦6月17日に行われる広島県廿日市市の厳島神社の祭礼行事である。別名は十七夜祭。

大阪天満宮天神祭(大阪府)、城山稲荷神社のホーランエンヤ(島根県)とともに日本三大船神事の一つ。

また、大阪天満宮の天神祭、津島神社天王祭(愛知県)とともに日本の三大川祭とも。

大阪天満宮の天神祭、兵庫県赤穂市の大避神社坂越の船祭りとともに、瀬戸内海三大船祭りの一つ。 

厳島神社を崇敬し、今の姿に造営した平清盛が始めたとされる。都で行われていた管絃遊び(池や川に船を浮かべ管絃を合奏する優雅な遊び)を、厳島神社の祀神を慰める神事として執り行うようになった。

船神事であることから、潮の干満を考慮し大潮の日に執り行われるようになった。

平安時代、厳島は島全体が神とされ、人が住むことが許されなかった。

そのため、対岸の地御前神社から厳島神社まで管絃船で管絃を合奏する神事を行っていたが、鎌倉時代以降、島内に人が住むようになってからは、厳島神社から管絃船が出御し、地御前神社を経由し還御する現在の姿となる。

現在は和船3艘を横に並べて1艘に組み、別の3艘の船で曳航するが、かつては1艘の大型船を使用し、自力で航行していた。

元禄14年(1701年)、管絃船が航行中に暴風雨に遭い転覆寸前となったところを、停泊し風雨を避けていた鯛網船(阿賀村の岡野喜右衛門)と、厳島神社に参拝する伝馬船(江波村の古川屋伝蔵)が管絃船を救助した。

この遭難事故以降、阿賀村と江波村が管絃船を曳航することとなり現在まで続いている。
管絃祭とは? - 平清盛が始めたとされる、旧暦6月17日に行われる厳島神社の祭礼行事
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