意宇六社で唯一の式外社、本殿は最古の大社造りで国宝、末社社殿は重文
[住所]島根県松江市大庭町563
[電話]0852-21-6379

神魂神社(かもすじんじゃ)は、島根県松江市にある神社。出雲国意宇六社の一社で、近代社格は県社。本殿は現存する日本最古の大社造りで国宝

現在は伊弉冊大神を主祭神とし、伊弉諾大神を配祀するとしているが、これは中世末期ごろからのもので、それ以前の御祭神は不明。

時代が下って寛文(1661年-1672年)年間ごろの新嘗会祝詞には、熊野大神・大己貴命などの神名が見えるが、現在では記録上わかる範囲内で、より古いほうの説に従っている。

社伝によれば、天穂日命がこの地に天降って創建したものと伝えられるが、『延喜式神名帳』、国史や『出雲国風土記』に当社は記載されておらず、文献における初見は承元2年(1208年)の鎌倉将軍下文。意宇六社唯一の式外社。

当社は出雲国府に近い古代出雲の中心地であり、社伝では、天穂日命の子孫が出雲国造として25代まで当社に奉仕したという。

出雲国造家は現在は出雲大社の宮司家であるが、国造家の代替わりの時の「神火相続式」「古伝新嘗祭」は、明治初年までは当社に参向して行われていた。その宿泊所となったのが、現在は立虫神社に合祀されている客神社。

現在、同市内にある真名井神社は当社の社家が管理していた。真名井神社には、出雲国造の神火相続式や新嘗祭の際に用いられた「真名井の滝」と呼ばれる滝がある。また、中世にはやはり市内にある揖夜神社でも当社家が神主を兼務していたという。

室町時代の造営になる本殿は、出雲大社より大社造りの古制をよく保存している。出雲大社と同様に入口は正面に向かって右に片寄ってあるが、神座は出雲大社とは反対に、殿内の中心に建つ心御柱(しんのみはしら)の左奥に横向きに置かれている。

境内末社の貴布祢稲荷両神社の社殿も天正11年(1583年)の建立で、珍しい二間社流造であり、重要文化財に指定されている。

【ご利益】
出雲国総産土大神とも。よって大庭大宮とも称された。五穀豊穣、子孫繁栄、夫婦和合など
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