三重県松阪市、実に425年ぶりに春日大社への水送り神事が復活
[住所]三重県松阪市飯高町赤桶2507
[電話]0598-46-0932

水屋神社(みずやじんじゃ)は、三重県松阪市飯高町にある神社。

由緒によれば、千余年前、大和の春日大社の安在所として天児屋根命を奉斎した。その後、飛鳥時代の大化4年(648)、奈良の三笠山から素盞鳴命、龍神姫命、櫛稲田姫命を勧請した。

奈良時代の和銅3年(710)、興福寺東門院領「閼伽桶の庄」となったという。

しかし、春日大社の創建は710年前後とみられ、初めに「天児屋根命の安在所」とあるのは矛盾している。主祭神が天児屋根命であることは間違いなく、春日大社ともつながりがある。

第11代垂仁天皇25年、天照大神が当地に巡幸した際、この地に鎮座していた春日の神と議って、川中の巨石を以って伊勢・大和両国の境としたという伝承がある。

隣接する滝の郷が伊勢の神宮(伊勢神宮)の皇大神宮(内宮)の御厨であるという『神鳳抄』の記事を考えあわせると、当社が興福寺領の西端を、滝野郷が内宮領の東端を示すと考えられている。

いわゆる「国分け伝説」で、当社の東方、約200メートルの和歌山街道沿い、櫛田川中にある巨石を「礫石(つぶていし)」、また、その付近を「堺が瀬」と呼んで、里人は慕っているという。

当社には南北朝時代文中2年(1373年)の棟札が残り、そこにも大和州閼伽桶庄宮と記されており、慶長5年(1600年)関ヶ原合戦以降伊勢領となる。

三殿並立朱塗りの春日造も、明治25年(1892年)、現在の神明造に改められた。

神社名(水屋神社)、所在地(赤桶)、特殊神事(水取り)、御祭神(龍神姫)などすべてにわたって水との関わりがあり、当社の西方約700メートルのところには「閼伽桶の井」(あかおけのいど)がある。

旧記・古文書の類には、この「閼伽桶の井」の神水を二振りの桶に汲み、貞観元年(859年)11月9日より春日大社への奉納を始め、天正5年(1577年)の兵乱で中絶したとある。

しかし、細々ながら神水はその後も当社へ奉納されてきた。平成14年、実に425年ぶりに春日大社への水送り神事(11月9日)が復活した。

平成18年(2006年)、フランス・ブルゴーニュ地方ラ・モンターニュ村に分祀社として和光神社を建立。

元伊勢「飯野高宮」の伝承地の一つ、滝野神明社を明治44年(1911年)に合祀した。

【ご利益】
国土安泰、産業繁栄、家内安全、子孫繁栄、交通安全など

天児屋根命…国土安泰、産業(農・商・工)繁栄の神であるが、家内安全、子孫繁栄、交通安全はもとより、災難・厄除け、出世開運に、また合格祈願をする者も多い。

素盞鳴尊…農神・疫神送りなどの信仰が厚い。また学問や縁結び、商売 繁盛、国土安全、国家安泰等にご利益があるとされている。

天照大神…田畑を耕して農作物を産し、養蚕・織物を奨めるなどして衣食住を満たし、安定した国土を経営した神徳に因んで、国土安泰、福徳、開運、勝運などがご利益とされている。
公式HP
水屋神社 - 三重県松阪市、実に425年ぶりに春日大社への水送り神事が復活
【関連記事】
三重県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、三重県に鎮座している神社の一覧