天湯川桁命=オオタカを主祭神とする元伊勢候補の一つ
[住所]滋賀県甲賀市水口町北内貴490
[電話]0748-62-6084


川田神社(かわたじんじゃ)は、滋賀県甲賀市水口町にある神社。『延喜式神名帳』にある「川田神社二座(近江国・甲賀郡)」に比定される式内社(名神大社・月次新嘗)の論社の一社。近代社格は県社

御祭神は、天湯川桁命(あまのゆかわたなのみこと、天湯河桁命とも。山邊之大鶙<やまのべのおおたか>)と天川田奈命。天児屋根命大己貴命を配祀する。

創建は、天湯河桁命ともゆかりのある第11代垂仁天皇の御代と伝えられ、清和天皇の貞観年間(859年-878年)に神階を授けられた。

当時社殿を再建し境内をも拡張したが、戦国時代の長享初年(1487年)に足利軍の兵火で焼失、延徳元年(1489年)、内貴城主内貴伊賀守孝則が社殿を造築した。

しかし、安土桃山時代の元亀・天正年間(1570年-1593年)の兵乱に、その大半を焼失、以後逐次修復されて現在に至った。

江戸時代前期の天和2年(1682年)以来、水口城主加藤氏の崇敬深く、毎年幣帛料が献上され、明治4年(1871年)まで続いた。

江戸時代中期の享保11年(1726年)、正一位川田大明神の位号を持明院基修の染筆で賜った。

明治9年(1876年)10月、村社に列し、明治17年(1884年)11月には郷社に、昭和11年(1936年)6月には県社に昇格した。例祭は4月25日。古式揚矢祭(ようやまつり)が伝わる。

天照大神を奉斎した倭姫命が4年間滞在した、『日本書紀』に「近江国」、『倭姫命世記』に「甲可日雲宮」とある元伊勢の伝承地の一つ。伊勢の神宮(伊勢神宮)の皇大神宮(内宮)の元宮の可能性がある。

式内社「川田神社」の論社は他に、同市内土山町頓宮と同県湖南市にそれぞれ同名の神社がある。頓宮の同名神社は元伊勢「甲可日雲宮」の候補地でもある。

元伊勢「甲可日雲宮」の候補地は多く、その他に、甲賀市に土山町頓宮の甲可日雲、土山町鮎河の三上六所神社に合祀された大神宮社、土山町大河原の若宮神社境内社である皇大神宮、信楽町多羅尾の高宮神社、甲南町池田の桧尾神社、信楽町牧の日雲神社、水口町神明の日雲宮、水口町東林口の五十鈴神社、水口町高山の笠山神社、土山町北土山の田村神社と、湖南市に三雲の上乗寺境内社である神明宮、夏見の神明神社がある。

【ご利益】
交通安全、満願成就、厄除け、縁結び
川田神社(甲賀市水口町) - 天湯川桁命=オオタカを主祭神とする元伊勢候補の一つ
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