桑名石取祭の祭車行事(くわないしどりまつりのさいしゃぎょうじ)
種別1:風俗慣習
種別2:祭礼(信仰)
公開日:毎年8月第1日曜日とその前日の土曜日
指定日:2007.03.07(平成19.03.07)
都道府県:三重県
所在地:桑名宗社(桑名市)

桑名石取祭の祭車行事は、桑名市中心部に鎮座する旧城下町桑名の総鎮守である桑名宗社に対して行われる行事で、氏子町内から祭車と呼ばれる車が出され、鉦、太鼓で激しく囃しながら曳き回される。

この行事は、本来夏の禊ぎ祓いの意味を持ち、清らかな石をとって祭地を浄める祭りで、現在は氏子の各町内が11の組に分かれて参加する。

桑名宗社は、桑名神社と中臣神社の2社からなり、通称春日神社と称される。この桑名宗社の氏子の町内には元々春日神社の氏子であった本氏子と、石取祭に参加するため春日神社の氏子になったといわれる準氏子がある。

この祭の初見史料は『慶長自記』で、その慶長18年(1613年)の条に「七月十七日石取アリ」と見える。このことからすでにこの時期に石取の行事があったことが窺えるが、祭礼ではなく石を取る行事のみであったといわれている。この『慶長自記』に見える行事が祭礼化したのが現在の石取祭である。

期日は、現在8月の第1日曜日に行われているが、江戸時代初めには7月17日、江戸時代後期には7月7日、その後大正9年(1920年)からは7月12日、昭和33年(1958年)からは8月7日、そして昭和46年(1971年)からは現在の祭日になった。

この行事は、6月第1日曜日に行われる御籤占式から始まる。これは本楽での祭車の渡祭の順番を決める行事で、神職、神社役員、各町内の祭事長、青年連盟の会長、副会長が参加して春日神社拝殿で行われる。各町内の祭事長が籤を引き渡祭の順が決まる。特に一番の祭車を花車、最後を末番ともいう。

8月第1日曜日には本楽と呼ばれる行事が行われる。その前日の土曜日を試楽といい、試楽前日の夕方から祭車が曳き出され祭りの準備が始まる。

試楽の深夜0時には春日神社で鉦鼓打始式が行われ、太鼓の音を合図に青年連盟会長が赤提灯を振ると、組単位に集まった祭車が鉦鼓を叩き始める。これを叩き出しといい、その後祭車がそれぞれの組内を曳行する。

わが国に数多く見られる山・鉾・屋台は神霊の依るダシを賑やかな行列で鎮め送ることを本来の目的にしたものといわれている。そのダシが美的建造物になるところに成立したのが山や鉾であり、それを囃す行為とともに造形化されたのが各種の屋台である。

この行事は、採取した石を氏神に奉納することを目的に成立した行事で、石取という行事から祭礼へ展開したものとして注目される。我が国における山・鉾・屋台の祭の成立過程においてこの行事は特色ある展開過程をとったものとしてその変遷過程を知る上で重要である。

保護団体名:桑名石取祭保存会
重要無形民俗文化財「桑名石取祭の祭車行事」 - 石取という行事から祭礼へ展開
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