伊勢の神宮の参拝前に“禊のため”に訪れなければならない神社
[住所]三重県伊勢市二見町江575
[電話]0596-43-2020

二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)は、三重県伊勢市二見町江にある神社。境内の磯合にある夫婦岩(めおといわ)で知られる。参拝すれば、御朱印を頂ける。

夫婦岩の沖合約700メートルの海中に沈む、御祭神・猿田彦大神縁の興玉神石を拝する神社。近代社格では村社、現在は神社本庁の別表神社

猿田彦大神宇迦御魂大神を御祭神とする。ただし、当社では伊勢の神宮(伊勢神宮)の豊受大神宮(外宮)の御祭神・豊受大神の別名としている。

猿田彦大神は天孫降臨の際に高天原と豊葦原中津国の間の道案内を務めたことから、「道開き(導き)の神」といわれている。

この神の神使はカエルとされており、神社参拝の後にご神徳を受けた人々が、神社の境内にカエルの塑像を献納する。このため、境内には無数のカエルの石像が並んでいる。

当社の授与品もまた「無事カエル」「貸した物がカエル」「お金がカエル」(カエルと帰る・返るの掛詞)と呼ばれるカエルをモチーフにしたもの。

夫婦岩(めおといわ)は日の大神(一般的には天照大神とされる)と興玉神石を拝むための鳥居の役目を果たしている。

古来、男岩は立石、女岩は根尻岩と呼ばれていたが、いつの頃からか、夫婦岩と呼ばれるようになった。

この名称がついた時期は定かではないが、江戸時代中期の『伊勢参宮名所図会』に大注連縄を張った夫婦岩の絵が載せられている。

ただし、夫婦岩について、興玉神石との関係から言えば、主祭神と夫婦関係にない天照大神を想定するのは無理がある。日の大神再生に尽力し、主祭神の妻でもある天宇受売命がふさわしいか。

明治43年(1910年)、猿田彦大神を祀る興玉社(おきたましゃ)と宇迦御魂大神を祀る三宮神社(さんぐうじんじゃ)を合祀したものが当社。その際に現社名に改称した。

興玉社の歴史は、夫婦岩に注連縄を張り、興玉神石の遙拝所を設けたのに始まるという。

天平年間(729年-748年)、僧行基が興玉神の本地垂迹として江寺(えでら)を創建し、境内に興玉社を建てて鎮守社とした。後に現在の二見浦へと遷座した。

三宮神社は、元は現社境内の天の岩屋の中に祀られていたが、文禄年間(1593-1596年)に岩屋の外に移され、明治43年に興玉社本殿に合祀された。

古い参詣記には三狐神社(さんぐじんじゃ)などとも記される。

7月14日の例祭は「二見大祭」と呼ばれ、茶屋清渚連による注連縄奉納が行われる。

5月5日、9月5日と12月中・下旬のいずれかの土・日曜日(海況による)には夫婦岩の大注連縄の張り替え神事が行われる。

また、5月21日には興玉神石付近に生える霊草の無垢塩草を刈り取る藻刈神事が行われる。

境内社として綿津見大神を祀る龍宮社があり、旧暦5月15日に龍宮社例祭に併せて郷中施(ごじゅうせ)神事が行われる。

氏子地江の外れに大若子命(大幡主命とも、神宮の初代神主)を祀る栄野神社があり、毎年1月14日の例祭日には湯立神事が行われる。

古来、伊勢の神宮に参拝する前、また、祭典に奉仕する前には、清き渚と称される二見浦で禊(沐浴)を行うのが慣わしであった。これを浜参宮という。

現代ではそれに代わるものとして、当社で霊草無垢塩草での祓い清めを受ける。これに使う幣が、興玉神石付近で採れる海草(アマモ)。

現在、神宮式年遷宮のお木曳行事やお白石持行事への参加者は浜参宮を行う。

神宮参拝前に、禊のためとはいえ、二見浦及び当社に寄らなければならないとされた背景については謎。

興玉神石とあわせて考えると、近辺海域が古事記に記された猿田彦命溺死の現場の可能性がある。興玉は猿田彦命を示す言葉。

猿田彦命に関して、伊勢神宮の内宮域、内宮の御垣内に鎮座する興玉神があるほか、内宮域の近くには猿田彦神社が鎮座する。鈴鹿市には伊勢国一宮とされる都波岐神社椿大神社があり、いずれも猿田彦命を祀る重要な神社であって、周辺一帯に展開している。

【ご利益】
善導の神、開運招福、家内安全、交通安全の守護神(公式HP
二見興玉神社 - 伊勢の神宮の参拝前に“禊のため”に訪れなければならない神社
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二見興玉神社の御朱印