式内社「雷電神社」論社、800年の歴史がある御頭神事が伝わる、伊勢の古社
[住所]三重県伊勢市御薗町高向74
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高向大社(たかぶくたいしゃ)は、三重県伊勢市御薗町にある神社。

『延喜式神名帳』にある「雷電神社(伊勢国・度会郡)」に比定される式内社(小社)の論社。

御薗町高向のほぼ中央、住宅街の中にある。近鉄宮町駅東口から高向の集落に向かって進むと二つの森が現れる。

右側にあるのが伊勢の神宮125社の一社で、豊受大神宮(外宮)摂社である宇須乃野神社(外宮末社の縣神社が同座する)、左側にあるのが当社。

社伝によると、奈良時代の天平3年(731年)の創祀。御祭神は大山祇神。当社では山の神であり、かつ海の神とも伝わっているという。

本殿に素戔嗚命奥津嶋姫命湍津嶋姫命、本社左脇の石に大己貴命下照姫命、八大龍王、鳥居の右脇の社殿に市杵島姫命が祀られ、七所大明神と称された。

八大龍王は不詳だが、その他の御祭神や名称、後述する神事の伝承などから考えて、ヤマタノオロチかそれを擬したものなどが考えられるか。

社記によると、貞観3年(861)8月5日、大雨洪水の時、大野という所にある大杉の根元に、白羽の蓋根矢が流れ付いたと言う。

『古事記』の初代神武天皇の皇后イスケヨリの出生譚、京都市の賀茂別雷神社(上賀茂神社)などの伝承と同種のもの。

雷神を祀る神社であると考えられ、式内社「雷電神社」の論社となっている。他の論社に、伊勢の神宮125社の一社で、皇大神宮(内宮)摂社の湯田神社や、小俣町本町に式内同名神社がある。

式内社として、明治43年(1910年)、御祭神を別雷神に変更しようとしたが却下されたという。

相殿の神村大神は、もとは高向郷加村に鎮座していた神村社。神村社にも蕪矢伝承があり、同じく式内社「雷電神社」の論社の一社。

明治41年(1908年)に、山神社とともに当社に合祀された。現在、古社地に石碑が建っているという。

国の重要無形民俗文化財として、高向の「御頭神事」があり、800年の歴史があるという。「七起こしの舞」はスサノヲによるヤマタノオロチ退治を象ったものと言われる。

なお、「七起こしの舞」は元伊勢の伝承が残る磯神社にも特殊神事として伝わっている。

【ご利益】
山の神であり海の神。身体健康など
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