土宮（つちのみや）は、三重県伊勢市豊川町にある神社。

伊勢の神宮（伊勢神宮）、神宮125社の一社で、豊受大神宮（外宮）の境内にある、外宮・別宮の一社。伊勢神宮125社めぐりの中で外宮めぐりの一社。

同じく外宮の境内や域内にあるものに、外宮別宮の多賀宮、風宮、外宮摂社の度会国御神社、度会大国玉比賣神社、山末神社、外宮末社の伊我理神社、井中神社、大津神社、外宮所管社の御酒殿神、四至神、上御井神社、下御井神社がある。

正宮前の池の横の亀石を渡った先の石段の左に風宮が、右に当宮。亀石は高倉山の天岩戸の入り口の岩を運んだと伝えられている。当宮の左手には外宮所管社の下御井神社がある。

御祭神は大土乃御祖神（おおつちのみおやのかみ）。度会行忠が弘安8年（1285年）に記した『神名秘書』では、山田原地主の大歳神、宇迦魂神、土御祖神の土宮三座と記載する。

また御神体は大歳神と土御祖神が鏡、宇迦魂神が宝壺であったとする。

記録上の初出は997年（長徳3年）の『長徳検録』。927年（延長5年）の『延喜式神名帳』には記載されていない。

『類聚神祇本源』によれば、『長徳検録』に外宮所管の「田社33前の1座の土御祖社」と記された。現在の末社相当とされ、地位が低かった。

大治3年6月3日（1128年7月2日）、土御祖社は宮川の外宮禰宜の申請が朝廷に認められ、別宮に昇格し土宮となった。

そのころ度重なる宮川の氾濫に悩まされた外宮禰宜が、土御祖神が氾濫を治めたとして宮号を申請したもの。

皇大神宮（内宮）に準じた祭事が行なわれ、祈年、月次、神嘗、新嘗の諸祭には皇室からの幣帛がある。

幣帛を受けるようになったのは、別宮昇格以降と考えられる。皇室の勅使は正宮と多賀宮のみに参行し、土宮には参行しない。

土宮の社殿は外宮に準じ外削ぎの千木と、5本で奇数の鰹木を持つ萱葺の神明造である。神宮の境内別宮は基本的に南面しているが、土宮は東面している。

遷宮のための古殿地は通常は東西に並ぶが、土宮は南北に近い。またの境内別宮は基本的に鳥居を持たないが、土宮は鳥居を持つ。

【ご利益】
「土」の神であるが、経歴からして、氾濫を治めるご神徳

豊受大神宮（外宮）別宮
・序列1位 多賀宮 （伊勢市豊川町）
・序列2位 土宮 （伊勢市豊川町）
・序列3位 月夜見宮 （伊勢市宮後）
・序列4位 風宮 （伊勢市豊川町）

【関連記事】
・伊勢の神宮とは？ - 通称：伊勢神宮、正宮・外宮・摂末社・所管社全125社の一覧
・伊勢参宮 - 二見興玉神社→外宮→内宮と猿田彦神社の御朱印、参拝順路、アクセス、所要時間
・伊勢神宮125社めぐり - 整理すると73の社・境内、10の“めぐり”でコンプリート目指す
・外宮めぐり - 伊勢神宮125社めぐり、三重県伊勢市の豊川町・宮後・藤里町・御薗町、全20社
・三重県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、三重県に鎮座している神社の一覧