三峯神社(埼玉県・秩父市)例大祭などで長年奉納されてきた三峯神代神楽(市指定無形民俗文化財「三峰の神楽」)が2015年4月5日、同神社神楽殿で最後の奉奏を行い、126年間受け継がれた歴史に幕を閉じるようです。埼玉新聞が報じています

三峯神社といえば、秩父三社の一つ。ヤマトタケル東征時の創建という2000年近い歴史がある古社で、2月3日の節分追儺祭の神事「ごもっともさま」も有名。

三峰の神楽は、明治22年(1889年)春、氏子である滝の沢地区の人たちが荒川白久から伝習されたことに始まるとされます。伝えるところによれば、師匠を迎えた滝の沢地区の人たちは、日待堂に集合して20日間にわたり囃子方、舞方、衣裳方とに分担して修練に努めたといいます。

5年後の1994年に同神社へ初めて奉納されたといいます。この神楽は、一曲一座形式で、12曲の基本の座のほか余興神楽など約20座が伝わっています。

三峯神代神楽保存会と三峯神社で保存が図られてきましたが、高齢化や後継者不足ということで、会の解散が決まったとのこと。大変残念です。甲斐の皆様も苦渋の決断であることが、報道からも伝わってきます。お疲れさまでございました。

このように失われていく伝統や技は歴史上数多あったことでしょう。今残されているものも、いつどうなるかわからない、という、当たり前ではありますが、思いを巡らさせるニュースでした。

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