吉田の火祭(よしだのひまつり)
種別1:風俗慣習
種別2:祭礼(信仰)
公開日:毎年8月26・27日
指定日:2012.03.08(平成24.03.08)
都道府県:山梨県
所在地:北口本宮冨士浅間神社とその摂社の諏訪神社(富士吉田市上吉田)

本件は、富士吉田市上吉田にある北口本宮冨士浅間神社とその摂社の諏訪神社の祭りで、富士信仰の隆盛とともに伝承されてきた火祭りである。

7月1日のお山開きに対するお山仕舞いの祭りであり、巨大な富士山型の神輿が勇壮に渡御し、26日夜には、市中に並び立てられた80本ほどの大松明が盛大に燃やされる。

大松明に点火されると、富士山の山小屋でも火が焚かれ、山と町とが一体となって火祭りが繰り広げられる。また、関東一円から訪れる富士講の人たちも参加し、宿坊の入口や大松明を囲んで講の行事を行う。

我が国の山岳信仰を代表する富士信仰を背景に伝承されてきた祭りであり、数多くの大きな松明を勇壮に燃やす大規模な火祭りとして全国的にも注目される事例である。

富士信仰に因む火祭りは、山梨県甲州市下岩崎にある浅間神社の火祭や県東部の郡内地方における火焚き行事をはじめ、関東地方に伝承がみられるが、吉田の火祭からの伝播やその影響を受けている事例が多く、同種の火祭りの典型例と考えられる。

また、上吉田の氏子だけでなく、関東地方を中心に活動する富士講の人たちも参加する祭りであり、富士山に対する信仰の広がりを知るうえで貴重であるとともに、火に関する禁忌が厳格に守られているなど、我が国の山岳信仰や火に関する祭りを理解するうえで重要である。

この行事は、平成12年12月25日に「吉田の火祭」として記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択されている。

保護団体名:吉田の火祭保存会
重要無形民俗文化財「吉田の火祭」 - 富士信仰に因む、山梨の勇壮かつ大規模な祭り
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