アヂスキタカヒコネとヒトコトヌシの異母兄弟を祀る古社、土佐国一宮
[住所]高知県高知市一宮しなね2-16-1
[電話]088-845-1096

土佐神社(とさじんじゃ)は、高知県高知市一宮しなねにある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 土佐国 土佐郡「都佐坐神社」に比定される式内社(大社)。歴史的な一宮としての土佐国一宮で、近代社格では国幣中社

現在は神社本庁の別表神社「全国一の宮会」に加盟している。

中世・近世には一般に「高賀茂大明神」と称されており、一部には「一宮大明神」とも。この場合の一宮は「いっく」と読む。

御祭神は味鋤高彦根神(あじすきたかひこねのかみ)と一言主神(ひとことぬしのかみ)。

一言主神は『古事記』においても葛城とゆかりが深い。葛城一言主神社において祀られている。そして、味鋤高彦根神は葛城において高鴨神社で祀られていることで有名。葛城=賀茂。

一言主神は事代主命と同神とする説もあり、そうすると、味鋤高彦根神と事代主命は、大国主命を父とする異母兄弟の関係になる。

事代主命は大国主命の長男とされるが、味鋤高彦根神も『古事記』において意味深な登場と去り方をしている。

『釈日本紀』によると、第21代雄略天皇の4年2月に天皇が大和葛城山にて狩りをしている最中、天皇は一言主神と出会ったが、その不遜な言動により一言主神を土佐に流した。

一言主神は、土佐において初め「賀茂之地」に祀られ、のち土佐高賀茂大社(土佐神社)に遷祀したと言う。

『古事記』においては、雄略天皇は一言主神に屈服したような書かれ方をしているが、『釈日本紀』とそれをもとにした社伝では逆の説話を伝えていることになる。

『日本書紀』天武天皇4年(675年)条によれば、「土左大神」は天皇に神刀1口を献上している。

これは、天智天皇7年(668年)の草薙剣盗難事件から、病が重くなった天武天皇が祟りを遠ざけるとして草薙の剣を熱田神宮(愛知県名古屋市)に返還する朱鳥元年(686年)の間でのことで、剣つながりで関連が指摘される場合がある。

熱田神宮などの伝承では、犯人の新羅僧・道行は盗んだ後に摂津国より出港したが、海難のため難波に漂着。それが今の阿遅速雄神社(大阪府大阪市)とされている。阿遅速雄神社の御祭神も味鋤高彦根神。

現在の主要社殿は、室町時代後期、戦国大名長宗我部元親による造営であり、多くが国の重要文化財などに指定されている。

また、臼田甚五郎監修『日本神社一00選』に「日本神社100選」として掲載されている。

【ご利益】
国土開拓、産業繁栄、和合協調、家内安全、交通安全、病気平癒、開運招福(公式HP
土佐神社 高知県高知市一宮しなね
【関連記事】
一宮とは? - その地域の中で最も社格の高いとされる神社のこと、根強い一宮めぐり人気
歴史的な一宮とは? - 『中世諸国一宮制の基礎的研究』が底本、資料で確認できる一宮
「全国一の宮会」加盟社とは? - 歴史的な一宮や、新一の宮などを含めた現代版一宮
近代社格の国幣中社とは? - 北海道から九州地方までまんべんなく分布、一宮も多い
日本神社100選とは? - 臼田甚五郎監修『日本神社一00選』に掲載された神社

神社の創建年代 - 神代から、神武・神功・継体、そして昭和期まで、主な神社を順に並べた
『日本の神社全国版 2015年 3/10 号 [雑誌]』 - 土佐神社、南海の総鎮守、しなねさま
高知県の別表神社 | 別表神社とは? - 神社本庁に属する神社の現代版官国幣社
高知県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、高知県に鎮座している神社の一覧
土佐神社の御朱印