淡路島
古事記に登場する35柱の神々の石像を、国生み神話に縁の深い兵庫県淡路市の伊弉諾神宮周辺に建立する計画「神様の結うとおり」で全35像の設置が完了し、2015年2月22日、記念式典が同神宮駐車場で行われました。計画を進めた住民グループは恋愛成就や商売繁盛など願いに沿った像を巡ることを提案し、5月には初の町歩きイベントを開くと言います。神戸新聞が報じています

画像は、このモニュメントが設置された地域含む、「淡路市 伊弉諾神宮 夫婦で幸運Get! 幸せの種蒔くコース」のマップ(出典:物語ちっくに愛たい兵庫)。

「くにうみ神話のまちづくり実行委員会」による立案実行。同委員会ではこれまで、伊弉諾神宮において三大神話神楽祭(出雲・高千穂・淡路)を実施したり、くにうみ交流フェアを多賀の浜海水浴場にて実施したり、伊弉諾神宮が夫婦の神様であることから「夫婦のふるさと淡路島」国生み神話巡り」コースを構築したりなど、伊弉諾神宮を中心とした地域活性を積極的に進めてきました。

今回の企画は、「淡路島35柱神々モニュメント制作プロジェクト」、古事記に記されている「国生み神話」を活用したまちづくり をテーマに、石のモニュメント制作や設置計画などを進めていく、というもの。

35基のモニュメント設置によって同市郡家にある「郡家商店街および濱神社(同神宮より片道1.5キロほど)周辺地域」にも参拝客・観光客を誘致し、地域活性化に繋げていこう、というのがプロジェクトの目的のようです。

名付けて、神と人を結ぶ「神様の結うとおり」。神様の言う通り、と、神様の結び、と、通り、をうまく合わせた造語ですね。

伊弉諾神宮の御祭神であるイザナギイザナミによる、国産み・神産みによって生まれた35柱とされる神々は、一般的には以下の通りです。

国産み - 大八嶋国(おおやしまのくに)
アハヂノホノサワケノシマ - 淡路島
イヨノフタナノシマ - 四国
オキノミツゴノシマ - 隠岐島
ツクシノシマ - 九州
イキノシマ - 壱岐島
ツシマ - 対馬
サドノシマ - 佐渡島
オオヤマトトヨアキツシマ - 本州

島産み - 六つの島
キビノコジマ
アヅキジマ
オオシマ
ヒメジマ
チカノシマ
フタゴノシマ

神産み
オオコトオシヲノカミ
イハツチビコノカミ
イハスヒメノカミ
オオトヒワケノカミ
アメノフキオノカミ
オオヤビコノカミ
カザモツワケノオシヲノカミ
オオワタツミ
ハヤアキツヒコノカミ
ハヤアキツヒメノカミ
シナツヒコノカミ
ククノチノカミ
オオヤマツミ
カヤノヒメノカミ
トリノイハクスブネノカミ
オオゲツヒメ
ヒノカグツチノカミ

イザナミ負傷後に産まれた神々
カナヤマビコノカミ
カナヤマビメノカミ
ハニヤスビコノカミ
ハニヤスビメノカミ
ミツハノメノカミ
ワクムスヒノカミ

古事記には「国と島を14柱産み、神を35柱産む」とありますので、本来は国・島産みと神産みは別に数えるべきなのかもしれませんが、神35柱はどうやってもうまく算出できず。上記も厳密には35柱になっていません。そもそも国と島も入ってはいますが。改めて考証したのがこちら

今回のモニュメントではどのように数え、設定したのか、非常に知りたいところです。

【関連記事】
『週刊 日本の神社 2015年 1/13号 [分冊百科] 』 - 兵庫県の伊弉諾神宮、海神社
「日本発祥」おのころ島神社で「国生み神話」講座 - 淡路島に行ったら立ち寄りたい聖地
伊弉諾神宮 - 仕事を終えたイザナギが鎮座、良いきっかけを得られる?【パワースポット】