今さら邪馬台国02 - ヤマトタケルの実兄オオウス、魏志倭人伝を看破す
「魏志倭人伝」は、中国の正史の一つで、全65巻という膨大な書群(歴史書『三国志』)の中の『魏書』(全30巻)の一部、第30巻目の「烏丸鮮卑東夷伝」に収められている「倭人の条」という一文です。

「魏志倭人伝」は、漢字で2000文字程度の、短いようでいて、色々な意味で濃密な、日本のことが記載されていると思われる最古の文献です。

歴史書『三国志』は後世、脚色された小説風『三国演義』(三国志演義)、これが元となった小説、アニメ、ゲームが有名となりました。『魏書』はその中で曹操とその一族の歴史が記された書で、魏志倭人伝はその中のごく一部、という位置づけになります。

歴史書『三国志』は史官である陳寿の撰で、西暦280年以降に成立したと考えられており、陳寿の没年が西暦297年ですので、その間に完成したと思われます。

卑弥呼の没年が、240年代後半とされますので、地理的には遠く隔たっていますが、時間的にはわずか数十年前のこと、外国のものとはいえ、同時代資料、と言えなくもありません。

このわずかな一文によって、特に記載されている距離や方角によって様々な解釈が生まれ、日本の邪馬台国論争が現在までに100年以上続いていることになります。「女王」「女王国」の魅力でしょうか。と言っても、この中には邪馬台国は一回しか登場しないのですが。

「三国書・烏丸鮮卑東夷倭人の条」、思えばずいぶん思い切った略し方、縮め方をしたものです。