・刊行:1963
・著者:末松保和
・出版:笠井出版印刷社

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末松 保和(すえまつ やすかず、1904年8月10日 - 1992年4月)は、日本の歴史学者。学習院大学名誉教授。文学博士。専門は朝鮮史。朝鮮古代史・古代日朝関係史から高麗・李朝史におよぶ実証的研究によって朝鮮史研究の礎を築いたことで知られる。

邪馬台国について、昭和5年(1930年)に「太平御覧に引かれた倭国に関する魏志の文に就いて」「魏志倭人伝解釈の変遷-投馬國を中心として-」を発表、唯物史観史学からの邪馬台国論の嚆矢。その所在地を畿内とし、邪馬台国畿内説を主張。

投馬国を出雲に比定、バジル・ホール・チェンバレン(Basil Hall Chamberlain)の説を採用して、出雲はアイヌ語によるエトモに起源するとし、「於投馬」との記載もあるとし、ますますイズモに近づく、とする。この説は、21世紀になった今も小林須佐男らによって継承されている。

「生口問題は、奴隷・捕虜の問題、財産所有形態の問題、生産技術の問題に発展すべきである」と指摘している。

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