2014年に開催された大古事記展で展示された、唐古・鍵遺跡(奈良県・田原本町)から出土した卜骨 - 2014年大古事記展
女王・卑弥呼(ひみこ)が治めた邪馬台国の有力候補地とされる奈良県桜井市の纒向遺跡(国史跡、3世紀初め-4世紀初め)で、3世紀後半-4世紀初めの占いに使われた動物の骨・卜骨(ぼっこつ)が初めて見つかりました。市教委が2015年1月29日発表しました。弥生時代に日本に広まった占いの方法が、その後もヤマト王権の中心地とされる纒向で継承されていたことになると言います。朝日新聞が報じています

写真は、2014年に開催された大古事記展で展示された、唐古・鍵遺跡(奈良県・田原本町)から出土した卜骨。

卜骨は、亀甲(きつこう)・獣骨などを焼き,その亀裂によって吉凶を占う方法。古くは中国で用いられていましたが、日本でも弥生時代には行われていました。灼骨とも。

中国の史書『魏志』の、当時の倭国や邪馬台国が記載されている「倭人伝」、魏志倭人伝にも記録されている方法ですが、古事記にも登場します。非常に幅広く行われた、メジャーな方法だったことが分かります。

そのため、今回纒向遺跡では初めて卜骨が出土したとのことですが、弥生時代の遺跡からは出てもおかしくないもの、ということになります。逆に言えば、巨大遺跡・纒向遺跡はまだまだその全貌を現してはおらず、今後も大きな発見があり得る、とも言えます。

邪馬台国の都に比定する声も根強いですが、まずは調査、調査、また調査。日本の起源に迫る調査事業ですので、是非とも注視していきたいところです。

今回、現地説明会が開催されます。2月1日午前10時-午後3時。お問い合わせは市纒向学研究センター、電話は0744-45-0590まで。

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