平成26年度 現地説明会資料等 - 京都府埋蔵文化財調査研究センター
京都府埋蔵文化財調査研究センターは2015年1月25日、京田辺市松井にある古墳時代後期―飛鳥時代の集団墓地跡・松井横穴群の現地調査会を実施しました。横穴墓70基の調査結果で、副葬品に武具がほとんどないことから豪族など支配者層でなく、農業に携わる有力者が葬られていた可能性が高いもので、多くの注目が集まりました。

画像は現地説明会資料より松井横穴群の周辺地形(出典:京都府埋蔵文化財調査研究センター)。

平成23年度に第1次調査を開始し、27年度の今回が最後の第4次調査。2015年2月下旬まで行われる予定です。

調査地は、南の丘陵地から北に延びる尾根筋の東西斜面にある、西斜面の第12トレンチ、東斜面の第4トレンチ。また、谷の西側斜面に第1トレンチ、東斜面に第2トレンチを設定して発掘調査が実施されました。

その結果、高い密度で70基の横穴を確認。一般的に古墳時代後期、群集墓が造られる場合、石を用いた横穴式石室を埋葬施設として採用しますが、この松井横穴群はもとより、八幡市から京田辺市にかけての丘陵上には横穴式石室墳が少ないという特徴があります。

今回の70基のみならず、周辺の地形からさらに多くの横穴が埋没しているものと考えられ、周辺部の調査結果から、数百基の横穴が存在すると考えられます。周辺の女谷・荒坂横穴群を含め、この地域の横穴群には八幡氏や京田辺市域の人々だけでなく、より広範囲の人々が埋葬された可能性が指摘されています。

現地説明会資料がインターネット上で公開されています。より詳しい説明は、こちらから。

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