倭の女王国を推理する
・刊行:2001/3
・著者:高見勝則
・出版:海鳥社

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古代人の目線で読み解く邪馬壱国の虚像と実像。

日本民族のルーツを辿り、弥生時代の大乱を復元させながら、倭の30国を完全比定。

さらに金印・銅鐸・『翰苑』の謎を解明した。由来の地を訪ね歩き、遥かな時に思いを馳せて迫る女王国の実相。

邪馬台国はなかった説、所在地は九州。

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「推理する」と言いつつも、すべて推測を断定しているだけであり、論拠に乏しい。

古事記に最初に登場する神、いわゆる造化の三神をいずれも渡来神とするのはまだよいとして、アメノミナカヌシノカミは徐市(徐福)一行のこと、タカミムスヒノカミはツングース系、中国東北地方出身。カミムスヒノカミは中国南方の出身と、ほぼ根拠なしで断定。

古事記の編纂された時期が、唐・新羅軍に大敗して、天皇を頂点とする律令制を確立する時だったために、こうした神々の正体が秘された、とされるが、古事記は内容として、誰がどう見ても、律令体制確立に資するものではなく、本書すべてに通じるが妄想一直線の感が強い。

邪馬台国はなかった、としながらも、古田武彦を「知らなかった」と明言、その上で古田とほぼ同じ結論であって、古田説を紹介していくあたりが、その限界か。