・刊行:1977/6
・著者:新井白石、(編集)国書刊行会
・出版:国書刊行会

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武士、あるいは政治家でもあるが、江戸時代中期の、というより、日本史上を代表する学者の一人。その全集。全六巻。

第1 藩翰譜 第1-12

第2 続藩翰譜 第1-12

第3 折たく柴の記 3巻,新井家系,岩松家系附録序説,古史通 3巻,古史通或問 2巻,読史余論 3巻,畿内治河記,奥羽海運記,五十四郡考,五事略 2巻,蝦夷志,南島志 2巻

第4 東雅 21巻,東音譜,同文通考 4巻,朝鮮聘礼事,朝鮮信徒進見儀注,朝鮮信使賜饗儀注,朝鮮信使辞見儀注,奉命教諭朝鮮使客,朝鮮国信書の式の事,朝鮮信使議,朝鮮聘使後議,朝聘応接記,朝鮮冠服の事,国書復号紀事,以酊巷事議草,坐間筆語,江関筆談,白雉帖,西洋紀聞 3巻,采覧異言 5巻 詩

第5 白石先生遺文 2巻,白石先生遺文拾遺 2巻,白石詩草,白石先生余稿 3巻,高子観遊記,白石先生手簡,退私録 3巻,退私録附言,白石先生紳書 10巻

第6 鬼神論,孫武兵法択 13巻,孫武兵法択副言,那須国造碑釈文跋,那須国造碑,楽対,正徳年号弁,経邦典例 巻之6,白石建議 8巻,将軍宣下三拾一度儀不同次第,進呈之案,決獄考,本朝軍器考 12巻,本朝軍器考集古図説 2巻,人名考,准后考,武家官位装束考,祭祀考,聖像考,国郡名考,日東行程考,地名河川両宇通用考,玉考,楽考,俳優考,品革威考,鎧直垂考,木瓜考,本佐録考,新野問答,車服制度手記,新近問答,文廟遺命,白石先生学訓,停雲集 2巻,室新詩評,天爵堂寿言,天爵堂寿詩

このうち、第3に収録されている「古史通或問」では、史上初めてとも思える、魏志倭人伝に現れる倭の国々を実在の地名に比定する作業を行い、邪馬台国は大和とした(本格的な邪馬台国畿内説の始まり)。

また卑弥呼を日御子とも指摘。景初二年六月は魏いまだ帯方を支配せず、よってこの年の遣使実ならずとも考証。

しかし、この中には収録されていない、晩年の著作と言われる「外国之事調書」では邪馬台国は九州である(本格的な邪馬台国九州説の始まり)としており、畿内説から九州説への鞍替えをした、とされる。

一方で、両著作の執筆時期が判然としない、という指摘もあり、その場合、逆の転向、つまり九州説から大和説への鞍替え、という可能性も捨てきれない。

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