誰も語らなかった邪馬台国の実像
・刊行:2008/2
・著者:釋安然
・出版:新生出版

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『魏志倭人伝』最大の謎は「水行二日」「水行一日陸行三日」だった。

著者は、現在は福岡県古賀市在住。定年退職後、少年時代から関心をもっていた古代史の研究に取り組む。

都立大、杏林大、拓殖大などの社会人聴講生となり『魏志倭人伝』、邪馬台国、東洋史、哲学などを聴講。カルチャーセンターにも精力的に参加。

布目順郎氏(京都工芸繊維大学名誉教授)の『絹の東伝』に強い感銘を受け、本格的に邪馬台国研究に取り組む。

邪馬台国九州説に確信を深め、実証、実地検分のため2006年に福岡県古賀市に転居。邪馬台国関連の遺跡、出土品、博物館、展示館などを歩きまわり調査。

第1章 倭人の国
・倭人;奴国の朝貢
ほか

第2章 邪馬台国の研究
・研究のはじまり
・邪馬台国の比定地
ほか

第3章 『魏志倭人伝』を読む
・倭人の国の位置
・帯方郡から狗邪韓国
ほか

第4章 『魏志倭人伝』を解く
・狗邪韓国
・対馬国(対海国)
ほか

第5章 邪馬台国は征く
・『記紀』を読む
・原郷・山門から邪馬台国へ
ほか

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管理人了
邪馬台国九州説、阿蘇山に由来する「山門」を重視し、「今の肥後の菊池郡山門郷と筑後の山門郡の一帯」を邪馬台国の所在地として示唆している。つまり、熊本から福岡にかけて。

また、布目順郎『絹の東伝』に触れつつ、神武東遷、ニギハヤヒの東遷を引き合いに出し、安本美典氏らの地名の類似説を根底におきながら、九州からの邪馬台国の東遷を指摘。

全体としては、特段の目新しい指摘はないか。