継体天皇の時代―徹底討論今城塚古墳
・刊行:2008/6/25
・著者:水野正好
・出版:吉川弘文館

・『継体天皇の時代―徹底討論今城塚古墳』をアマゾンで購入

第二十六代継体天皇の墓とされる今城塚古墳(大阪府・高槻市)は現在唯一、市民の立ち入りが許された天皇陵である。

大量の埴輪、新王統か否かの議論、朝鮮との関係、阿蘇ピンク石製の棺、三つの棺に埋葬された人物などに迫り、その姿を明らかにする。

担当編集者より
天皇陵は現在宮内庁が管理し、調査はおろか立入りも禁止されています。ところが全国で一つだけ「天皇陵」でも発掘調査されているものがあります。それが今城塚古墳です。

学界ではこれは継体天皇陵とする見解でほぼ一致しています。高槻市では市内のこの貴重な文化財を学問の進展に役立てるため、シンポジウムを何度も開催してきました。

本書は三年前のシンポジウムをもとに、その後の知見も入れてまとまられたものです。

継体天皇は当時の天皇家とは遠い血縁で、越前から大和に入って皇位を嗣ぎました。そのため王朝交替と見る論者もおります。また六世紀初めのこの時期は、朝鮮半島の戦争や九州の筑紫国造磐井の反乱があり、また畿内以外でも大規模な古墳が作られるなど、歴史が大きく動いた時代でした。

考古学・古代史の第一線の研究者が、当時の全国の遺跡や遺物、対外関係、政治過程など多方面から、侃々諤々の激論を交わします。