三輪山と卑弥呼・神武天皇
・刊行:2008/8
・著者:笠井敏光、千田稔、塚口義信、和田萃、前田晴人、金関恕
・出版:学生社

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邪馬台国の宗教連合と鬼道、卑弥呼、神武天皇の実態などヤマト王権発祥の地から、文献と考古学の成果で古代日本の謎を解く。

1 鬼道を事とする卑弥呼
2 三輪山と卑弥呼
3 卑弥呼の鬼道と大三輪の祭祀
4 卑弥呼に見立てられた女性たち
5 卑弥呼の宮殿を探る
6 “神武伝説と日向”の再検討
7 “神武伝説と熊野”の再検討
8 倭成す大物主神

大神神社が主催する「三輪山セミナー」の講演録を収録したもの。

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この中で、明確に邪馬台国所在地論に言及しているのは、笠井敏光「三輪山と卑弥呼」と千田稔「卑弥呼の宮殿を探る」、前田晴人「卑弥呼の鬼道と大三輪の祭祀」。 うち、千田の論は『邪馬台国と近代日本』にて、前田の論は『女王卑弥呼の国家と伝承』にて。ここでは笠井に絞って記す。

 「わたしが考えている邪馬台国は、畿内全部と考えています。大和だけではありません。河内も摂津も山城の国もみんな一緒になって、畿内全体で邪馬台国になると考えます」。邪馬台国畿内説、いわば広域版。

根拠としては、延喜式の道のり、明代の地図など。
魏志倭人伝の諸国の推定位置 - 笠井敏光『三輪山と卑弥呼・神武天皇』P29
混一彊理歴代国都之図(明代)に書かれた日本 - 笠井敏光『三輪山と卑弥呼・神武天皇』P31
神武天皇の東遷・大和平定路 - 笠井敏光『三輪山と卑弥呼・神武天皇』P120