・所在地:岡山県久米郡美咲町飯岡字主馬ノ奥
・経緯度:北緯34度94分18.50秒 東経134度10分89.06秒

・時 期:5世紀前半
・時 代:古墳時代中期中盤
・形 状:円墳
・特 徴:-
・指 定:県史跡

【概要】
大平山(標高320メートル)山頂に5世紀前半に築かれた古墳。年代からも、内容からも、地域集団の首長の墳墓であると考えられている。

直径60メートル、高さ10メートルの大型円墳で中腹に1メートルの段が設けられ、北側裾に造り出しがある。墳頂の平坦部は直径17メートルで、木棺粘土槨が2基あった。斜面には角ばった石で葺石が敷かれ、墳頂周囲・段上・裾には円筒埴輪と朝顔形埴輪が並べられていた。

1953年(昭和28年)8月から12月にかけて、岡山大学助手(当時)の近藤義郎を中心に地元の住民や教師、学生らによって発掘調査が行われた。この調査は、周辺地域の関連遺跡と月の輪古墳の全面発掘が行われた。

この一連の活動・調査は「月の輪方式」と呼ばれ学術的、教育的、また地域運動としても当時の話題となった。この記録は翌1954年(昭和29年)スライドと記録映画となり、文集『月の輪教室』として記録された。古墳は1959年(昭和34年)9月15日に岡山県指定史跡に指定された。

この調査で墳頂部の2基の木棺のうち、中央のものは全長565センチメートルで男性と見られる遺骸と首飾り・鏡・鉄製短甲・革製草摺・刀・剣・鉄鏃・銅鏃などの副葬品が出土した。

南側の木棺は全長310センチメートルで女性と見られる遺骸と首飾り・漆塗竹櫛・鏡・刀・剣・鉄針・石釧などの副葬品が出土した。北側裾の造り出しからも木棺粘土槨が発見されたが中からは何も出土しなかった。

【関連サイト】
月の輪古墳 - Wikipedia

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