直木孝次郎 古代を語る〈2〉邪馬台国と卑弥呼 (直木孝次郎古代を語る 2)
・刊行:2008/11
・著者:直木孝次郎
・出版:吉川弘文館

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邪馬台国はどこにあったのか、卑弥呼は女王としてどんな政治を行ない、生涯を送ったのか。百家争鳴の諸説を整理し、倭国の誕生を再考。

『魏志倭人伝』の詳細な分析と、考古学の成果を駆使して、改めて畿内説を提唱する。

直木 孝次郎(なおき こうじろう、1919年1月30日 - )は、日本の歴史学者。大阪市立大学名誉教授。文学博士(京都大学、1969年)。専門は日本古代史。兵庫県神戸市生まれ。

1962年、『国家の発生』(岩波書店)を著わし、 邪馬台国と大和政権との質的な違いを指摘、両者を別系統の政権であるとした。上田正昭の説とともに、内藤湖南の説の系譜に連なる、いわゆる京都学派と呼ばれる。ただし、直木自身は学閥ではなく、関西と関東の風土の違いに求めている。

1973年、『日本の歴史 1 倭国の誕生』を出しており(管理人了)、その時点までの邪馬台国に関する諸説を吟味、文献では一長一短、考古学成果では有利、として、改めて畿内説を展開している。

同書では、畿内に魏使が向かうのに、九州に一旦上陸して陸行している点について触れており、邪馬台国側の魏使に対する警戒と指摘、はっきりとは記されていないが、魏使は邪馬台国に実際に行かなかったこと、魏側に邪馬台国の正確な位置を誤認させるために虚偽の報告を魏使に行ったことが要因、だとしている。

邪馬台国の位置論ばかりではなく、国としての性格、いわゆる国家論にも言及、畿内説と九州説のそれは、初期ヤマト政権が当時九州を支配していたかどうかの違いでもあると指摘、邪馬台国は一つの弱い連合体、と位置付けた。

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