神武天皇は応神帝か―古代史七つの謎 (1973年)
・刊行:市村其三郎
・著者:1973
・出版:新人物往来社

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市村は「ヒミコ問題の根本的解決」(『白山史学』第三号、昭和32年(1957年)3月)、「卑弥呼は神功皇后である (1972年)」なども含め、邪馬台国論争において、邪馬台国の位置を「九州の大分県宇佐市」に比定しているとされる。また、邪馬台国の東遷説も唱えている。

特に「ヒミコ問題の根本的解決」では、魏志倭人伝において、女王国を大和朝廷の前身ととらえていた、と指摘、九州説を採りながらも、女王国が断じて大和朝廷以外の国ではなかった、とし、神武東遷が女王国文化の東方移動を物語るもの、とした。

和辻哲郎がすでに東遷説を唱えていたものの、戦後になって九州説から畿内説に転換していた。市村は九州説の立場から、神武東遷と絡めて、改めて邪馬台国東遷を唱えた形となった。

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