埋もれた金印―日本国家の成立 (岩波新書 青版 741)
・刊行:1970/2/20
・著者:藤間生大
・出版:岩波書店

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藤間 生大(とうま せいた、1913年5月16日 - )は、日本の歴史学者。広島市生まれ。1936年、早稲田大学史学科卒。1938年、日本評論社入社、1945年7月、埼玉県立浦和中学校教諭、1949年、民主主義科学者協会事務局常任書記長、1951年まで務める。1971年、熊本商科大学教授、同付属海外事情研究所長、1982年、退職。

日本共産党に属し、戦後しばらく、マルクス主義歴史学者として、井上清、石母田正と並んで盛名を馳せ、本書(初版昭和25年(1950年))は、皇国史観を打ち破り、考古学的に古代日本国家のあり方をとらえたものとしてロングセラーとなり、当時の学生の必読書となった。

藤間は邪馬台国論争において、邪馬台国の位置を「九州の福岡県山門郡」に比定しているとされる。

邪馬台国の位置論ばかりではなく、国としての性格、いわゆる国家論にも言及した論者として知られている。稲作農耕の発展につれて、弥生中期の日本の生産力に地域的差別が生まれ、部分的地域に奴隷制が現れたが、全体的に見た場合、共同体の社会構造が依然として支配的地位を占めていた、とし、女王卑弥呼は国家連合の体制に君臨するのではなく、そうした体制を構成している人々によって、制約された、とする。

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