真説 日本古代史
・刊行:2013/2/24
・著者:武光誠
・出版:PHP研究所

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日本史の世界で新説や逆説を持ち出すのは、もっぱら学界とは関係のない市井の研究者や作家の独壇場とされてきた。

いわゆる学界の定説に対して、学閥や師弟関係に縛られない自由な発想で異を唱えることができるからである。

そんな中で著者は、アカデミズムの世界に身をおきながら、大胆に通説に挑戦する数少ない書き手の一人である。

ふつう歴史書は政争の勝者の立場で書かれるため、史実の歪曲や隠蔽のあることが少なくない。今回著者は、いわゆる通史の再検討をし、不十分な論拠に立つ通説の批判を試みた。そこから導き出された「卑弥呼暗殺説」「日本府は任那を支配していない」「聖徳太子は渡来系勢力に操られていた」といった一見逆説的な論は、実は緻密な考証に基づいている。

特に古代日本の陰の支配者ともいうべき渡来人・秦氏の素性を明らかにしたことは、多くの古代史ファンをうならせた。

歴史観が根底から変わる、知的興奮に満ちた一書である。

本書は2002年に刊行された「古代史大逆転」(PHP文庫)を増補・改訂のうえ、改題したものです。(奥付より)