神話の国の子どもたち
古事記をテーマに全編を宮崎県内で撮影したダンス映画「神話の国の子どもたち」が完成したそうです。出演は小学2年生から高校1年生の86人。2015年3月21日から宮崎、鹿児島県の5館で先行上映し、同6月頃から全国公開されるといいます。読売新聞が報じています。画像は公式サイトより。

それによると、プロデューサーの坂上也寸志さんらが「宮崎になじみ深い古事記神話を、感受性豊かな県内の子どもに演じてほしい」と企画。出演者のうち約80人は、県内を中心にダンス学校などに通う小中学生らで、オーディションで選ばれたと言います。

設定は、兄弟げんかをする海幸彦山幸彦に、怒ったアマテラスが大人たちを子供の姿に変えてしまった、というもの。古事記ではアマテラスとこの兄弟の絡みはありませんが、実際、海幸彦と山幸彦にとって、アマテラスはひいお祖母ちゃんにあたります。怒ると自ら武器を取る(そして、あのスサノヲとタイマンを張ろうとした)という武闘派の一面もある、最強のひいお祖母ちゃんです。
火遠理命(ほおりのみこと=山幸彦(やまさちひこ)) - ぶっちゃけ古事記山幸彦 - 釣り針を失くして竜宮城に行く
火照命(ほでりのみこと=海幸彦(うみさちひこ)) - ぶっちゃけ古事記海幸彦 - 山幸彦に無理難題言って追いつめる
天照大御神(あまてらすおほみかみ=アマテラス) - ぶっちゃけ古事記アマテラス - 古事記で絡まないが、二人にとって怖いひいお祖母ちゃん
竜宮城のお話も出てきて、古事記でもお馴染みのトヨタマと、その妹タマヨリも登場するとのこと。それぞれの恋模様が描かれるようです。

古事記においては、山幸彦とトヨタマが恋に落ち、結婚しますが、海幸彦の恋は語られていません。意地悪(まっとうな批判ではあるが)か、すぐやられるか、なので。この辺もどのように脚色され、子どもたちが演じるのか、非常に楽しみです。

下記はプロモーションビデオ。昔風の衣装で激しく踊る子供たちが印象的です。

ちなみに、山幸彦とトヨタマの子がウガヤフキアエズ。山幸彦とトヨタマは訳あって別居することになるので、この子はタマヨリが養育します。ウガヤフキアエズは長じて養母であるタマヨリと結婚、初代神武天皇らを生みます。

こちらも宮崎の英雄である神武天皇にとって、トヨタマはお祖母ちゃん、タマヨリはお母さんになるわけです。
豊玉比売(とよたまひめ) - ぶっちゃけ古事記トヨタマ - 姉。竜宮城の、積極的な姫
玉依毘売命(たまよりびめのみこと=タマヨリ) - ぶっちゃけ古事記タマヨリ - 妹。竜宮城の、控えめ?な姫
神倭伊波礼琵古命(かむやまといわれひこのみこと=神武天皇) - ぶっちゃけ古事記神武天皇 - 竜宮城の話は初代誕生のための伏線
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『週刊 日本の神社 2015年 1/20号』 - 宮崎県の日向三代、宮崎神宮、鵜戸神宮、高千穂神社