・所在地:福岡県嘉穂郡桂川町大字寿命
・経緯度:北緯33度58分87.46秒 東経130度66分39.23秒

・時 期:6世紀中頃
・時 代:古墳時代後期
・形 状:前方後円墳
・特 徴:装飾古墳
・指 定:国の特別史跡

【概要】
5つの色彩で彩られた壁画が石室内ほぼ全面に施されていることで知られている。日本の特別史跡。

昭和9年(1934年)9月30日に採土工事中に前方部が削られ、横穴式石室の前室右壁隅が開口し、偶然発見されたもので、6世紀中ごろに作られたとされている。形状は前方後円墳であるが、先の工事によって墳丘の半分以上は失われている。

福岡県によって調査され、昭和12年(1937年)6月15日に国の史跡指定を受けた後、昭和27年(1952年)3月29日に装飾古墳として国の特別史跡第1号に指定され、出土遺物は昭和31年(1956年)重要文化財に指定され、京都国立博物館に委託保存されている。

失われた部分を完全に復原すると、全長約86メートル、後円部径約56メートル、後円部高約9.5メートル、前方部幅約60メートル、墳丘は二段築成で黒色と赭土色(あかつちいろ)の粘質土を交互に積み上げ版築状に造り上げている。斜面には円礫の葺石が葺かれていて、円形埴輪も確認されている。二重の周濠が巡らされている。

現在、石室は完全に密閉されて保存されており、通常は見学することは出来ないが、春と秋の年2回一般に公開されている。

王塚古墳の最大の特徴は、石室のほぼ全面に施された壁画。描かれている図像は馬、靫(ゆぎ)、盾、刀、弓などのほか双脚輪状文、蕨手文、三角文、円文などの幾何学的文様。日本で確認されている装飾古墳の壁画で使われている色は6色(赤・黄・緑・青・黒・白)あるが、そのうち青を除く5色が使われており、国内最多である。

【関連サイト】
王塚古墳 - Wikipedia

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