七支刀(復元品)(大古事記展) - ぶっちゃけ古事記
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・七支刀(復元品)(しちしとう ふくげんひん) 原品は国宝
・大古事記展 - IV.今も息づく古事記 石上神宮

・原品は石上神宮伝世品
・原品は古墳時代前期
・奈良県立橿原考古学研究所付属博物館蔵(原品は石上神宮蔵)

身の左右に各三本の枝刃を交互に作出した鉄剣。社伝では「六支鉾」または「六叉鉾」と称し、身に刻まれた銘文が「七支刀」と記す。身の表面に34(35)文字、裏面に27文字が金象嵌の技法で刻まれている。また、文字を囲むように、身の縁に沿って金線が象嵌され、それは各枝刃の元で分岐しながらそれぞれの中央に伸びている。

銘文の文意は不詳の個所もあるが、大意は、泰和4年(369年)に百済王世(子)が倭王のために七支刀を作ったと解釈できる。『日本書紀』神功皇后52年条に「七枝刀」が出てくることから、この条文のことを指していると思われる。

大古事記展では、この復元品のほか、国宝そのものの原品や、昭和43年の複製品も展示されている。

石上神宮と言えば、ご神体が布都御魂剣、つまりサジフツノカミであり、神武天皇の東遷の折、高天原でアマテラスタカミムスヒノカミから助力を求められたタケミカヅチタカクラジを介して、神武天皇に送った剣で、神武天皇のピンチを救うことになる。その意味でも、そもそも剣とは縁が深い。

今回、大古事記展でこのあまりにも有名な七支刀が展示されるにあたって、石上神宮は主催者側に「何かと銘文が話題になりますが、そうした細かい詮索よりも、当時の幅広い国際交流を示す貴重な文物としてご鑑賞いただければ」という趣旨の申し合わせがあったとか。

それもその通り、枝刃の刀とは言え、枝葉にこだわるよりも、大局的に、その文物自身を「賞味したい」もの。

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