吾妻はや(中下絵)(大古事記展) - ぶっちゃけ古事記
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・吾妻はや(中下絵)(あずまはや ちゅうじたえ)
・大古事記展 - I.古代の人々が紡いだ物語 「愛」 オトタチバナ

・安田靫彦
・昭和46年(1971年)
・川崎市市民ミュージアム蔵

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「吾妻はや」、とは、「ああ、わが妻よ」という意味。古事記において最も有名なせりふの一つで、ヤマトタケルがつぶやいたもの。

東国遠征の帰還途中、相模と駿河の境にある足柄峠まで来た時、走水の海で道を切り開くために犠牲になった妻の一人オトタチバナを偲んで吐かれたもの。

二人の愛の絆の深さが伝わるセリフ。

さて、本作はその場面を描いた中下絵。富士山がはっきりと見えるところから、足柄峠というのが一目瞭然。馬にまたがる赤い服を着たヤマトタケルも鮮やか。

日本画において、下絵で構図、形などを検討し、それをやや拡大して制作するものを中下絵という。制作されない場合も多く、この後、完成作と同じ大きさの大下絵を描いて、最終的な検討の後、決定した大下絵の線を画絹などに写し取り実作品を描いていく。

安田靫彦(1884年-1978年)による一連のヤマトタケル作品の一つ。大古事記展では安田の下絵や大下絵を展示して、ヤマトタケルの旅と生涯を紹介しているが、本作はヤマトタケルを描きながらも、タイトルがオトタチバナにちなむもののため、オトタチバナの愛という面での展示となったと思われる。

大古事記展では、安田の作品として、肇國創業絵巻 瓊瓊杵尊降臨天之八衢古事記も展示されている。

ヤマトタケルの「旅」など一連の下絵
小碓皇子(下絵) - 景行天皇に命じられた熊襲建討伐前のヤマトタケルの雄姿?
倭比売命(下絵) - ヤマトタケルの心強い味方ヤマトヒメが草薙の剣を贈呈する
草薙の剣(大下絵) - ヤマトタケル、相模国造の罠に一緒に嵌ったオトタチバナ寄り添う
・吾妻はや(中下絵) - ヤマトタケル「ああ、わが妻よ」とオトタチバナを偲ぶ図
酒折宮(大下絵) - 東国遠征の感慨に受っていたヤマトタケルの歌に見事返したのは?
居醒泉(下絵) - 伊吹山で瀕死の重傷を負ったヤマトタケルが意識を取り戻す場所

大古事記展 > I.物語「愛」 > 吾妻はや(中下絵)

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