波多毘能大郎子(はたびのおおいらつこ)またの名を大日下王(おおくさかのみこ=オオクサカ)縦480px
【キャラ設定】妹思いでつつましい人というイメージ。イイ人なのに、妻ナガタノはNTRされた安康天皇に、無理強いされたかもしれないが、「幸せ」と言わされたり。本当に報われない方ですが、妹のワカクサが何とか幸せになってよかった。

波多毘能大郎子(はたびのおおいらつこ)またの名を大日下王(おおくさかのみこ=オオクサカ)縦500px■大日下王(おおくさかのみこ=オオクサカ)

波多毘能大郎子(はたびのおおいらつこ)、またの名を大日下王(おおくさかのみこ=オオクサカ)と記されている。

父は第十六代仁徳天皇。仁徳天皇が皇子の時代、父の応神天皇が探し出してきた日向の美女を譲り受けたことがありましたが、オオクサカの母はその美女であるカミナガ

妹にワカクサカがいる。後の雄略天皇の皇后。

妻は、第十九代允恭天皇の皇女であるナガタノ。子にマヨワがいる。

第二十代安康天皇から、安康天皇の弟・大長谷命(後の雄略天皇)の嫁として、ワカクサカを貰い受けたい、という旨、根臣という使者が携えやってきた。

この話にオオクサカは大喜び。「この日のために妹を大事に育ててきた」と。

もちろん快諾の旨を根臣に告げるが、それだけでは感謝の意、誠意が伝わらないと考え、宝玉がたくさんついた冠を安康天皇への贈り物として根臣に渡した。

この冠を欲しいと考えた根臣は、安康天皇のもとに復すると、讒言。「オレっちの大事な妹・ワカクサカが、同族の輩に組み敷かれてチョメチョメさせられるなんてもってのほかさ、とかほざいておりましたぜ、へっへっへっ」

オオクサカを陥れて、そのどさくさに紛れて冠を横領してしまおう、という魂胆でしょう。

根臣の思惑はともかく、安康天皇はこの報告を信じて激怒、オオクサカを殺してしまいます。

その後、妻ナガタノは安康天皇の後宮に容れられ(安康天皇とナガタノは実の姉弟同士)、このマヨワはその連れ子となりました。

さらにその後、事情を知った当年七歳のマヨワが、父オオクサカの仇として安康天皇の寝こみを襲って殺します。日本史上初の天皇暗殺となりました。

何も悪いことをしていないのに讒言で殺されてしまうという、その後の日本の歴史で数多ある讒言→冤罪→処刑という事例の走りかもしれません。オオクサカ本人の登場は極めて少ないですが、安康天皇の説話において、極めて重要な役割を演じています。

ちなみに、天皇暗殺犯となったマヨワを討つことで、大長谷命が皇位継承争いで台頭、即位して雄略天皇となり、その後、オオクサカの妹であるワカクサカを皇后として迎え入れます。

【関連キャラ】
ナガタノ - 復讐鬼マヨワ(7歳)の母は穏やかな姫
マヨワ - 七歳の天皇暗殺犯 激情かつ冷静な皇子
ワカクサカ - 暴君・雄略を馭するほどのほっこり姫
安康天皇 - 近親相姦を糾弾して皇位に就くも暗殺される
雄略天皇 - 古事記後半の主役は、傍若無人な暴君
仁徳天皇 - 古事記中盤の主役はやはり女好きの御仁
カミナガ - 応神がしぶしぶ仁徳に譲り渡した美女

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佞臣の讒言を信じて忠臣を殺した安康天皇は、連れ子に仇討されて果てる

【一言切り取り】
オオクサカ「おおっ、この日のために大事に育ててきました」
オオクサカ「順風満帆、万事すべてよし」
オオクサカ「えっ、なぜ? なぜなんだ~」

【古事記の神・人辞典】
オオクサカ

【関連カテゴリ】
17.安康天皇

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