都夫良意富美(つぶらおほみ)

『古事記』に記載のある男性。

第20代安康天皇の頃の人。

安康天皇を実父の仇として暗殺したマヨワが自身の邸に逃げ込んできた。それを追ってきた、後の第21代雄略天皇である大長谷命とは、娘のカラヒメを差し出すことで前々から約束ができていた仲であったが、逃げ込んできたマヨワに義理立てして、包囲軍に対して徹底抗戦を試みる。

しかし多勢に無勢、自身も負傷したため、マヨワに「私も負傷し、もう矢も尽き、戦うことができません。どうしましょう?」と聞いたところ、その時弱冠七歳のマヨワは、「それならもう仕方ない、ぼくを殺してください」と言う。

そうして、マヨワを刺殺し、自身も首を切って自害して果てた。

なお、カラヒメは雄略天皇の妃の一人となり、後の第22代清寧天皇らをもうける。

日本書紀の記述に基づき、允恭天皇の皇子クロヒコなどを合葬した「坂合黒彦皇子墓」に治定されているジヲウ古墳(奈良県・吉野郡)にマヨワとともに葬られている可能性がある。

【主な登場場面】
佞臣の讒言を信じて忠臣を殺した安康天皇は、連れ子に仇討されて果てる

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