宮主矢河枝比売(みやぬしのやかわえひめ)

『古事記』に記載のある女性。

父はヒフレノオオミ

第15代応神天皇の妃の一人で、応神天皇の皇太子である和紀郎子、第16代仁徳天皇の妃で後に皇后となるヤタノ、仁徳天皇に言い寄られるが振って反旗を翻すメドリをもうける。

近江への御幸の途上、応神天皇が宇治で出会った美女が、このヤカワエ。ソッコー結婚の申し込みをされる。

翌日、家に来た応神天皇に対して、父親ともども歓待。気を良くした応神天皇から、ヤカワエのスタイルを激賞し、「こんなオンナが前から欲しかった~」という歌を送られる。

側室にもかかわらず、息子の和紀郎子が、有力な皇子である大山守命(母は側室ながら、応神の皇子の中では年長者)や大雀命(母は皇后で、その長男。後の仁徳天皇)を差し置いて、皇太子に選ばれているところからも、応神天皇からいかに愛されたかがうかがえる。

また、娘のヤタノやメドリも、それぞれの異母兄に当たる仁徳天皇の食指が動くほどの美女だったことが考えられ、その母であるヤカワエの美貌は、応神天皇が歌に織り込んで激賞した、その評価そのものである可能性が高い。

妹に、やはり皇子天皇の妃の一人となるオナベノイラツメがいる。

オオクニヌシの系譜に、別名を「八河江比売」という女神アシナダカノカミが出てくるが、名前の共通性から、両者の関係が指摘されることもある。

【主な登場場面】
自分の子の中で、兄を疎んじ、弟を愛でる応神天皇 理想の女をゲットして有頂天

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【関連キャラ】
ヤカワエ - 日本で初めてスタイルを激賞された美女