大碓命(おおうすのみこと)

『古事記』に記載のある男性皇族。

父は第12代景行天皇、母はその皇后であるイナビノオオイラツメ

同母兄にクシツノワケ、同母弟にオウス(ヤマトタケル)、ヤマトネコカムクシがいる。

父である景行天皇が、三野国造の祖のオオネの娘であるエヒメオトヒメの姉妹が美女だと聞きつけて、これを召そうと、オオウスに二人を迎えに遣わすが、オオウスはこれを横領、自分の嫁にする。父には替え玉として別の女二人を差し上げ、知らんぷり。

エヒメとの間にオシクロノエヒコをもうける。

オトヒメとの間にオシクロノオトビコをもうける。

夕食の席に着かなくなった。そのため、景行天皇が弟のオウスに「に~ちゃんを呼んで来い」と言っただけなのに、やって来た弟オウスに惨殺される。

守君、大田君、嶋田君の祖。

日本書紀では、美濃に派遣され、そこの開拓に尽力したものの、猿投山にて蛇毒にあたり同地で薨去、享年42歳とあり、死に方が全く違ってくるが、墓はこの猿投山に今もあり、大碓命墓(愛知県・豊田市)が宮内庁によって治定されている。。

【主な登場場面】
景行天皇「オマエの兄、呼んできて」、ヤマトタケル「殺しちゃった テヘッ」

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【オオウスを祀る神社】
猿投神社 - 紅葉の名所として知られる、山中で蛇毒に斃れたオオウスを祀る、三河国三宮
四王子神社 - ふんどし姿でわらの的を奪い合う「的ばかい」、銀杏・ソテツなどの古木
剱神社(霧島市) - 日本武尊が熊襲の様子を探った剱岩の山頂に奉斎、島津義久が再興
阿禮神社 - 平安前期に現在地に遷座、木曽義仲の崇敬、7月塩尻祭りで舞台

守田神社(七二会) - 鎌倉期に植えられたスギの御神木、江戸後期からのおねり
守田神社(穂保) - 守の君、大田の君の子孫が祖神・大碓命を奉斎、近世は日吉社
和奈佐意富曾神社 - 神功皇后が那佐浦で奉祀とも、大里八幡神社から明治初期に分祀
比奈守神社 - 飛騨の夷に対する拠点、『古事記』美濃と夷振、往時は飛田森神社