少名毘古那神(すくなびこなのかみ=スクナビコナ)縦480px
【キャラ設定】オオクニヌシが豪放なイメージがある中で、このスクナビコナはその相方として、繊細にして鋭利という感じを出してみました。全く違うタイプの二人だから、国造りがはかどったのかな、と。しかしそれが、アマテラスの突然の発言につながろうとは。

少名毘古那神(すくなびこなのかみ=スクナビコナ)縦500px■少名毘古那神(すくなびこなのかみ=スクナビコナ)

オオクニヌシととともに葦原の中つ国において、国造りを行った神。後、常世の国に渡る。常世の国に去った後、今後どのようにして国造りを進めていいか悩んだオオクニヌシの前に、オオモノヌシが現れる、そのきっかけにもなった神と言える。

出雲の美保(みほ=島根県八束群美保関町)の岬近くの海上にガガイモの形をした船に乗って、絹の着物を着た神様がいました。

オオクニヌシとその一行が名前を問うても名乗りません。そんな中、ヒキガエルのタニグクが「クエビコならこの神の名前を知っていると思うよ」という。

このタニグクもよく分からないですが、クエビコとは? 説明によれば、この世界のことならば何でも知っている神とのこと。ただし歩けない。

そこでオオクニヌシ一行がクエビコのもとに行くと、クエビコは案山子(かかし)だった。クエビコは、「その神なら、カミムスヒノカミの子であるスクナビコナじゃな」と言います。

オオクニヌシ一行がカミムスヒノカミの元に行くと、「うん、そう。私の子。オマエの兄弟となって一緒に国造りしなちゃい」ということで、ようやくこの神の身元がはっきりします。

カミムスヒノカミの手の隙間から滴り落ちて生まれた、それほど小さな子という意味で、スクナビコナ。

このカミムスヒノカミ、スサノヲが出雲に来る途中にもオオゲツヒメの話の中で出てきており、オオクニヌシがヤソガミに迫害され死亡した時もその蘇生を手伝ったり、オオクニヌシ編によく出る神ですが、スクナビコナの登場でもやはり顔を出す。

性別のない神とされながら、子どもがいたり、ほかの造化の三神の二柱が男神とされる中で、この神は女神とされたり。

ともかく、オオクニヌシとスクナビコナ、協力して国造りをします。しかしその途中、いきなりスクナビコナは常世の国に去っていきます。

それを嘆いていたオオクニヌシのところに、オオモノヌシが登場してくる、という流れになります。

古事記において、国造りそのものの描写よりも、名前の探索に紙面が割かれるというフシギな神であり、説話。また、その事績もほとんど伝わっておらず、謎に包まれてはいますが、オオクニヌシとは名コンビだったことはほぼ間違いないようです。

また、だいぶ時代が下った神功皇后の歌に、常世の国、造酒というキーワードと紐づいた形でスクナビコナのことが出てきます。

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【一言切り取り】
スクナビコナ「名前? ふんっ、教えねーよ」
スクナビコナ「ホント、女のことばかり…」
スクナビコナ「おっと、行かなくては」

【古事記の神・人辞典】
スクナビコナ

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4.オオクニヌシ

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