久延毘古(くえびこ)

『古事記』に登場する、この世のことなら何でも知っていると言われる神。案山子。

オオクニヌシが、出雲(いずも)の美保(みほ=島根県八束群美保関町)の岬に行った時、海上の波の上にガガイモの形をした船に乗って、絹の着物を着た神様が近よってきた。名を問うても名乗らない。

誰もその神を知らないところで、ヒキガエルのタニグクがオオクニヌシ一行に紹介したのがこのクエビコ。「この世の中のことなら何でも知っている」という説明付き。

クエビコは歩けないと聞いて、オオクニヌシ一行がクエビコのもとに行くと、案山子だったことが判明。クエビコはその神を、「カミムスヒノカミの子で、スクナビコナ」と看破。

オオクニヌシ一行に示唆を与え、国造りの話が進んでいく。

かかしを神格化したものとして、田の神、農業の神、土地の神とされる。神名の「クエビコ」は「崩え彦」、体が崩れた男の意で、雨風にさらされて朽ち果てたかかしを表現したもの。

【主な登場場面】
国譲りの前の国造り オオクニヌシ、スクナビコナと協力してまじめに働く

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【クエビコを祀る神社】
久氐比古神社 - 奈良朝の大干ばつで霊験、剣神社とも、4月に遺風のオケラ餅神事
守田神社(七二会) - 鎌倉期に植えられたスギの御神木、江戸後期からのおねり
牧落八幡宮 - 八幡大神宮、大和久延彦社を勧請、青畝の句碑、10月に神輿や太鼓
荻原神社(大台町) - 式内・榎村神社の八柱神社、旧満蒙開拓団の双龍神社を合祀