𧏛貝比売・蛤貝比売(きさがひひめ・うむぎひめ)

『古事記』に記載のある女神たち。

赤貝を神格したのがキサガヒヒメ、ハマグリを神格化したものがウムギヒメ。

周辺の男神にとって、結婚したいNO.1女神であったヤガミが、因幡の白兎を通じて、オオクニヌシとの結婚を宣言したことを受けて、オオクニヌシの兄弟とされるヤソガミがこれに逆ギレ。

ヤソガミは、オオクニヌシを伯岐国の手前の山麓につれて来て、「赤い猪がこの山にいる。我々が一斉に追い下ろすから、お前は待ち受けてそれを捕えよ」と命令した。

オオクニヌシが待ち構えていると、ヤソガミは猪に似た大石を火で焼いて転がし落とし、それを捕えようとしたオオクニヌシは石の火に焼かれて死んでしまった。

オオクニヌシの母であるサシクニワカヒメは嘆き悲しみ、カミムスヒノカミに相談したところ、派遣されたのがこの二柱の神々。

「赤貝とハマグリで生き返るかも。赤貝が自分の身を削り、ハマグリがそれを受け止めたものを母の母乳のように、オオクニヌシの体に優しく塗ってみて」というのがカミムスヒノカミがサシクニワカヒメに伝授した蘇生方法。

【主な登場場面】
殺されるオオクニヌシ パネェ兄ちゃんたちからのいびりに耐えかねて

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【キサガヒヒメ・ウムギヒメを祀る神社】
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大江神社(八頭町) - 平安期から続く大江氏の崇敬、因幡二宮とも、式内三座
加賀神社(松江市) - もとは加賀潜戸、佐太大神の母を祀る潜石太神宮、式年遷宮