大年神(おおとしのかみ)

『古事記』に記載のある男神。

父はスサノヲ、母はカムオオイチヒメ

同母妹にウカノミタマノカミがいる。五男三女神と混同されることがあるスサノヲの御子神である八王子の一柱。

妻に、カムイクスビノカミの娘であるイノヒメと、その他にカヨヒメアメノチカルミヅヒメがおり、それぞれに子どもをもうけている。

『古事記』に多くの記述はないが、穀物神とされる。やはり『古事記』に多くの説明のない妹のウカノミタマノカミも食物神として、各地の稲荷神社などで祀られている。

やはり食物神としての色合いの強いトヨウケビメと時に習合するオオゲツヒメは、子のハヤマトノカミと結婚し、自身と同じような神格を持つワカトシノカミなどの子をもうける。自身の子であるミトシノカミも同様。

イノヒメとの子
オオクニミタマノカミ
カラノカミ
ソフリノカミ
シラヒノカミ
ヒジリノカミ

カヨヒメとの子
オオカグヤマトミノカミ
ミトシノカミ

アメノチカルミヅヒメとの子
オキツヒコノカミ
オキツヒメ
オオヤマクヒノカミ
ニハツヒノカミ
アスハノカミ
ハヒキノカミ
カグヤマトミノカミ
ハヤマトノカミ
ニハタカツヒノカミ
オオツチノカミ

【主な登場場面】
日本史上初の和歌はスサノヲ 新妻と新居を活写! オオクニヌシにつながる系譜
オオクニヌシの国造りに関わっていた神々? 穀物増産、海外とのつながり

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【オオトシノカミを祀る神社】
朝熊神社 - 神宮125社、内宮・摂社 序列1位はサクヤが主役か? 桜溢れる神社
佐美長神社 - 神宮125社、伊雑宮・所管社 “穂落伝承”真名鶴を祀る「穂落としさん」
土宮 - 神宮125社、外宮・別宮 反乱を鎮めて別宮に昇格した“土”の神を祀る神社
飛騨一宮水無神社 - 主祭神オオトシノカミ含む十五柱の神々と『夜明け前』、草薙の剣
田縣神社 - 男根の神輿、巫女が男根を抱えて練り歩く奇祭で有名な愛知・小牧の古社

八坂神社 - スサノヲが牛頭天王と習合する、その大元 式外社だが二十二社の一社
天岩戸神社 - 天岩戸隠れの神話そのままの世界広がる、11月には高千穂の夜神楽も
竹佐々夫江神社 - 三重県明和町、鶴と稲穂の伝説ある元伊勢「佐佐牟江宮」伝承地
粟田神社 - 京の七口の一つ粟田口に鎮座する旅立ち守護の神、スサノヲ一族を祀る
山王神社(長崎市) - 島原の乱とキリシタン改宗、被爆建造物「一本柱鳥居」と被爆楠

葛木御歳神社 - 一時は大和国最高位の式内名神大社、ミトシノカミなど農業神を祀る
下谷神社 - 上野の稲荷町起源の古社、例祭の神輿渡御は大観衆の中での乱闘騒ぎで有名
八幡朝見神社 - 別府温泉の総鎮守、「別府温泉まつり」の開催地で、ひょうたん石なども
大宮売神社 - 丹波国二宮、弥生時代からの祭政中心地で、大宮売神を祀る最も古い社
總社 - 現代まで姿を維持する全国的に珍しい備中国総社、境内社に式内「野俣神社」も

飛騨総社 - 平安期の創建、5月の例祭では曲芸のような親子獅子舞が奉納される、岐阜高山
筑摩神社(米原市) - 少女8人が鍋を被って練り歩く鍋冠祭で知られる、継体期からの古社
大歳社(住吉大社) - 稲の収穫の神は大阪商人にとって集金の神へ、初辰まいりの最後
新屋坐天照御魂神社(西福井) - 崇神朝の創建、藤原鎌足も参詣した歴史ある名神大社
荒立神社 - サルタヒコとアメノウズメが結婚して住んだ地、芸能・恋愛の神として人気

日高神社(奥州市) - アテルイ降伏直後の創建、源義家の杉や太刀洗川、火防祭が有名
春日神社(神戸市西区) - 春日大社の元宮? 神武天皇の伝承残る宇留宮、勇壮な秋祭り
飯神社 - 『古事記』国産みに記載される讃岐そのもの国魂神を祀る式内古社、獅子舞など
新日吉神宮 - 後白河上皇の命で日吉山王七社を勧請して創建、5月第2日曜日が新日吉祭
八坂神社(国東市安岐町朝来) - 奈良期に京の祇園社を勧請した宇佐神宮行幸会の止宿地

津守神社 - 江戸期に津守新田に勧請された五社大明神、セレッソ大阪の必勝祈願を執行
河尻神宮 - 鎌倉期に鶴岡八幡を勧請、熊本城の南西・裏鬼門、勇壮な10月の秋季例祭
阿多由太神社 - 室町時代の本殿が重文、平安期の神像も伝わる、飛騨国式内八社の一つ
大歳神社(飛騨市) - 式内社「阿多由太神社」の論社・中宮神社を合祀した国史見在社
貴船神社(飛騨市) - 祈雨の神、神域を示す字高田が式内社の根拠となった貴布禰大明神

長洲神社(宇佐市) - 奈良時代に京の上賀茂神社を勧請、5月にコンコンチキリンの葵祭り
三島神社(臼杵市) - 鎌倉期創建、安土桃山時代からの卯の市、臼杵最古の獅子舞と巨木
丸山神社(大分市) - 加藤清正が創祀、岡藩主が八幡神を勧請、江戸中期の楼門が現存
行縢神社 - 日本武尊が熊襲征討時に命名した聖なる山、奈良期に熊野を勧請、源為朝も参籠
温泉神社(別府市青山町) - 別府温泉の鎮守神、別府八湯温泉まつりの開会奉告祭と神輿

大将軍神社(由布市) - 殿様の馬を元気回復した牛馬の神、大将軍市は大分郡市の三大市
石楯尾神社(名倉) - 以前は「エボシ岩」を礼拝した「名倉の権現さま」、式内有力論社
安福河伯神社 - 阿武隈川の神、陸奥亘理郡の四式内社の一つ、本殿は江戸後期の建立
石神山精神社 - 宮城遂倉山、白い崖・屏風岩の下に神殿、坂上田村麻呂お手植えの老杉
櫛梨神社 - 琴平町の如意山南西例に鎮座、神櫛皇子が奉斎し、死後に奉斎された式内社

大穴持神社(霧島市) - 奥州津軽山から大隅まで下向した神、雄牛と麻と蝮の禁忌
大売神社(篠山市) - 垂仁朝に創祀、領主が崇敬した昼目観音、義経の臣鷲尾十郎らを配祀
御田神社(名古屋市) - 熱田神宮の境内摂社で式内社、6月御田植祭、神事・烏喰の儀
伊奴神社(名古屋市) - 犬の御幣で洪水除け、天武朝に稲を献上、愛犬家やペット飼い主
阿為神社 - 藤原鎌足が乙巳の変の謀議を巡らした地、重要美術品の後漢期銅鏡

狭山神社(大阪狭山市) - 『古事記』記載の狹山池より早く創祀、池の守護神も合祀
高売布神社 - 鎌倉期の狛犬と室町期の本殿が重文、10月に特殊神事「千本搗き」
岐尼神社 - 紀氏・大村市の祖の枳根命、多田源氏、戦国期や江戸期の歴史舞台
久佐々神社 - 『日本書記』来狭村、『続日本紀』玖左佐村の地、老杉の鎮守の森
火走神社(泉佐野市) - 火の上を走る神事からの命名、火の神、室町期の摂社社殿

夜支布山口神社 - 大和山口社十四社、摂社立磐神社も式内、本殿は春日移し重文
伯太姫神社 - 渡来系氏族の田邊史の祖神を祀る、近世には白山社、10月にだんじり
車大歳神社 - 飛鳥朝の創建、室町期に遷座、往古は壮大な社殿、1月に翁舞神事
都夫久美神社 - 物部氏の積組連が祖神を奉斎、中世以降に衰微、明治合祀も昭和復興
大歳金刀比羅神社 - もとは鍛冶の神、江戸中期に讃岐勧請、11月祭礼は播州三大祭り

胸形神社(鹿沼市) - 六つの奇跡の井戸を奉斎、女体権現とも、式内「村桧神社」論社
三坂神社(山口市) - 「弾除けの神」戦前奉納写真が多数、返還事業で知られる式内論社
岩隈八幡宮(周東町) - 熊毛神が降臨、奈良朝に宇佐を勧請、陶氏・吉川氏の崇敬
大歳神社(新温泉町) - 平安前期の創立、10月に県文化財の麒麟獅子、社叢も町指定
等乃伎神社 - 『古事記』の巨木伝説と太陽信仰、町村合併で市内鬼門に鎮座

土佐稲荷神社 - 土佐藩蔵屋敷の鎮守、岩崎弥太郎と三菱の崇敬社、桜の名所
中島惣社 - 飛鳥朝に五穀豊穣が祈願された食物神の女神、中島郷48ヶ村の親宮
櫛色天蘿箇彦命神社 - 天足彦国押人の後裔が石見の海岸地域で発展、威厳ある狛犬
有玉神社 - 田村麻呂の創建伝承、徳川家康の愛馬寄進以来の400年続く流鏑馬神事
神神社(藤枝市) - 崇神朝の吉例にならって皇極朝に創祀、三ツ鳥居、社叢伐採

中和神社 - 「くるまどさん」牛馬の神が惑星探査機「はやぶさ」を救う
庭田神社 - 『播磨国風土記』記載の日本初の日本酒醸造の地「ぬくい川」と霊石
田川神社 - 神功皇后ゆかりの地、500年のケヤキの大樹、初夏にはホタルの乱舞
荒見神社(久御山町) - もとは大歳神を奉斎、後に五社大明神、元禄以来の古文献
大歳神社(京都市) - 出雲系開拓民が奈良朝に創建、式内・石作神社を相殿に祀る

国安天満神社 - 飛鳥朝の創立、天満大池と道真の伝承、10月に神輿を池に投げ込む
御厨神社 - 神功皇后が兵糧を集めた地、道真が上陸、宿をとり、松植えた天満宮
郷荘神社 - 郷荘大宮祇園社の八坂大明神、明治期合祀で改称、10月だんじり祭り
春日神社(春木町) - 古くから物部布留神社、奈良期に春日社に、弘法大師伝承
荒井神社(高砂市) - 飛鳥朝の創祀、明治にえべっさん合祀、10月に仁輪加太鼓

湊神社(姫路市) - 『万葉集』記載の「まとがたの湊」、10月例祭に屋台と巡行
里外神社 - 五十瓊敷命ゆかり機織りの守護神、霊剣とカレイ献上、岡田の戎さん
亀住稲荷神社 - 豊前小倉藩小笠原家の邸内社「鬼門除け稲荷」、社名は旧町名由来
温泉神社(雲南市) - 八岐大蛇伝承ヒロインの両親が住んだ地近く、神陵を移築
宅宮神社 - 「大きな港」、式内唯一の大苫邊尊、8月に平安末以来の神踊り神事

神舘飯野高市本多神社 - 神戸総社、式内三社含む神舘・飯野・高市・本多の各社
知波夜比古神社(三良坂町) - 天孫降臨で神宝の箱を持った神、三渓郡惣社
意加美神社(稲草) - 平安以来の造立記録、平成に水没集落の神社移転・再建工事
伊奈久比神社 - 「対馬稲作の始め」、白鶴が稲穂を落として稲の神となって奉斎
伊勢田神社 - 風土記記載社、国つ神から天つ神へ、近世は梵天王社、10月秋季大祭

氷川神社(松江市) - 平安前期の勧請、式内論社などを合祀、10月相撲、7月祇園祭
穂北神社 - 天孫に愛されなかった磐長姫命が笠狭から去った地、山陵や円墳も
彌和神社 - 数段の階段の上に祭壇と灯篭のみ、大戸山を御神体山とした古態の祭祀
倉賀野神社 - 崇神朝の創祀のクニタマさま、「飯玉縁起」飯玉大明神、飯玉さま
當島八幡神社 - 平安期に宇佐を勧請、南北朝期に式内・多理比理神社を合祀

奴々伎神社 - 沼池大神、南北朝期に焼失して矢降大明神、10月例祭は稲畑式三番叟
利神社(掛川市) - 景行朝の勧請とも、歴代領主の崇敬、食物神を奉斎する戸神大明神
大江神社(八頭町) - 平安期から続く大江氏の崇敬、因幡二宮とも、式内三座
宇刈神社 - 奈良前期の創祀、本宮は中村八幡宮、式内・真草神社の論社とも
當信神社 - 平安初期に再興、二度遷座、10月例大祭などに信級中原流太々神楽囃子

大年神社(江津市都野津町) - 奈良期に伊勢別宮を勧請、鎌倉期以来の矢立神事と松
大年神社(江津市和木町) - 式内論社、社殿や狛犬に赤褐色の石州瓦、参道には筆塚
大年神社(江津市渡津町) - 奈良期に伊勢伊雑宮末社を奉遷、秋祭には神楽と神輿
大歳神社(浜田市元浜町) - 奈良期に伊雑宮大歳社を勧請、両面宝鏡、烈女お初の墓
大歳神社(浜田市弥栄町) - 市街地から三つのダムを越えて南下、奈良前期の創建

大年神社(浜田市国分町) - 石見畳ヶ浦の近くの古登多加山、漁業・海運の守護神
多為神社(津市) - 田井連らの祖の物部小事、正天神社、今は天之穗日命が主神
彌尼布理神社 - 平安初期の創建、五穀を司る神、50年ごとの造営、稲の自生の伝承
小野神社(益田市) - 小野郷に祖神を祀る、明治初頭に再興、菅原神社など合祀
伊賀留我神社(羽津) - 倭姫命の巡幸の地、天武天皇が伊勢を遥拝、2月伝統の日待祭

賀茂神社(邑南町) - 伝承・文化財の宝庫、相殿に式内・大原神社、5月次の日祭り
宇美神社(出雲市) - 風土記所載の式内社、縁切りと縁結び、「海」だが剣の神
阿須利神社 - 八岐大蛇が「あせった」地とも、風土記所載式内社、10月に秋祭り

【主な御神徳(ご利益)】
農業守護、商売繁盛家内安全夫婦和合子宝、性に関わる神