八十禍津日神(やそまがつひのかみ)

『古事記』に記載のある神。

イザナギが禊を行ったが、「上流は流れが速い。下流は流れが弱い」といって、最初に中流に潜って身を清めた時、黄泉の穢れから生まれた二柱の神のうちの一柱。

もう一柱は、オオマガツヒノカミ

イザナギは黄泉の国から戻ると、穢れから身を清めるために、竺紫(つくし)の日向(ひむか)の橘の小門(をど)の阿波岐原(あはきはら:現在の宮崎県宮崎市阿波岐原町)で禊を行った。そこで、衣を脱ぐと十二柱の神が生まれた。その後に実際に川に入って清めた際のこと。

禊で生まれた神々
・ヤソマガツヒノカミ | オオマガツヒノカミ - 黄泉の穢れから
カムナオビノカミ | オオナオビノカミ | イヅノメ - その穢れ、その禍(まが)を直そうとして
ソコツワタツミノカミ | ソコツツノヲノカミ - 水の底で身を清めると
ナカツワタツミノカミ | ナカツツノヲノカミ - 水の中ほどで身を清めると
ウハツワタツミノカミ | ウハツツノヲノカミ - 水の表面で身を清めると

【主な登場場面】
バツイチ・イザナギ、それでも神産み続けてアマテラス、スサノヲ キター!

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【ヤソマガツヒノカミを祀る神社】
警固神社 - 神功皇后の三韓征伐を勝利に導いた警固大神を祀る、キツネ石像破壊事件も
櫻井神社(糸島市) - “あらゆる縁を結ぶ社”筑前黒田家ゆかり、嵐神社の一つ
宇奈己呂和気神社 - 歴代の武人が再興を夢見た、陸奥の名社として名高い安積郡の総社
甘樫坐神社 - 応神朝以来の盟神探湯、現在は4月第1日曜日に斎行、豊浦展望台の桜
木梨神社(加東市) - 崇神朝の創祀、允恭軽皇子が幣帛、藤田三郎の大蛇退治伝説

早吸日女神社(大分市) - 神武東遷の途上、蛸が守護していた神剣を御神体として奉斎
金峰神社(にかほ市) - 鳥海山の登拝口の一つ小滝口、奈曽の白滝とチョウクライロ舞
綾戸國中神社 - 全国唯一の新幹線建設で遷座、祇園祭の久世駒形稚児、豊富な授与品
神部神社(甲州市) - 「祓戸ノ九神」祀る岩間温泉の神、室町期随神門、江戸期本殿
赤羽根神明大神社 - 源義家の創立、江戸期の棟札、7月浜降祭と9月例祭で神輿

百射山神社 - 大山積命を奉斎し、百射之山島と呼ばれた福山に鎮座した式内社
宇津神社(呉市) - 孝霊朝の勧請、大山祇神社末社の七郎大明神、巨樹ホルトノキ
大原神社(邑南町日貫) - 平安期に京都大原野を勧請、日貫村大明神、大元神楽
庄内神社(鈴鹿市) - 式内・天一鍬田神社、八島明神とも、明治期に合祀で改称
彌久賀神社 - 美久我林、近世は若一王子権現御社、10月例大祭の神幸に神事大華