石筒之男神(いはつつのをのかみ)

『古事記』に記載のある神。

カグツチを生んだ際、女陰を負傷したイザナミがその傷がもとで亡くなった時、イザナギは号泣。イザナギは怒りに任せて十拳剣でカグツチを惨殺するが、その時、十拳剣の先端からの血が岩石に落ちて生成された神。

同じく十拳剣の先端からの血が岩石に落ちて生成された神として、イハサクノカミネサクノカミの神がいる。

『古事記』には記載はないが、その他の資料や伝承から、香取神宮(千葉県香取市)の御祭神・経津主大神 (ふつぬしのおおかみ=フツヌシ)の祖神の一柱か。

十拳剣から生まれた神々
イハサクノカミ | ネサクノカミ | イハツツノヲノカミ - 先端からの血が岩石に落ちて生成
ミカハヤヒノカミ | ヒハヤヒノカミ | タケミカヅチ - 刀身の根元からの血が岩石に落ちて生成
クラオカミノカミ | クラミツハノカ - 柄からの血より生成

【主な登場場面】
イザナギとイザナミの神産み 何も女神のそんなもんから生まれなくても…

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