速秋津日子神(はやあきつひこのかみ)

『古事記』において、イザナギイザナミによる国産み、島産みが終わった後、神産みの九組目に生まれた男神。

妻のハヤアキツヒメノカミと対とされ、夫婦神で、夫婦二人の総称が水戸神(みなとのかみ)。夫婦から四対八柱の神が生まれるが、いずれも水に関する神で、特に水戸神とした場合、港や河口を表すとされる。

葦原中国平定の段で国譲りを承諾したオオクニヌシのために造営された宮殿(出雲大社)で、膳夫(かしわで)となったクシヤタマノカミは、水戸神の子とされる。

水戸神の子・四対八柱
アハナギノカミ | アハナミノカミ
ツラノギノカミ | ツラナミノカミ
アメノミクマリノカミ | クニノミクマリノカミ
アメノクヒザモチノカミ | クニノクヒザモチノカミ

神産みで生まれた神々
オオコトオシヲノカミ
イハツチビコノカミ
イハスヒメノカミ
オオトヒワケノカミ
アメノフキオノカミ
オオヤビコノカミ
カザモツワケノオシヲノカミ
オオワタツミ
・ハヤアキツヒコノカミ - ハヤアキツヒメノカミと結婚し、八柱の子をもうける
ハヤアキツヒメノカミ - ハヤアキツヒコノカミと結婚し、八柱の子をもうける
シナツヒコノカミ
ククノチノカミ
オオヤマツミ - カヤノヒメノカミと結婚し、八柱の子をもうける
カヤノヒメノカミ - オオヤマツミと結婚し、八柱の子をもうける
トリノイハクスブネノカミ
ヒノカグツチノカミ

 【主な登場場面】
イザナギとイザナミの神産み 何も女神のそんなもんから生まれなくても…
オオクニヌシ、国譲りして、隠居へ 豪壮な、後の出雲大社を準備させて

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神と人を結ぶ「神様の結うとおり」という通りに35柱の神々モニュメント設置 - 兵庫県・淡路島

【ハヤアキツヒコノカミを祀る神社】
都祁水分神社 - 大和国四所水分社の一つ、大和川、木津川の水源の神、室町期の本殿
宇太水分神社(中社) - 鎌倉期造営の国宝の本殿、ロマンティックな菟田野みくまり祭
水神神社(長崎市) - 河童伝承、河童を服従させる河童族を統率した栗隈王の末裔が社家
十一明神神社(南あわじ市) - 淡路国総社、淡路廃帝が行宮を造営して特に親拝した古社
隅田川神社 - 水神の森「浮島の宮」、源頼朝が創建したとも、狛犬ではなく石亀が安置

零羊崎神社(石巻市真野) - 古くから蝦夷の豪族が住居した、白鳥宮と呼ばれる名神大社
甲波宿禰神社(川島) - 上野国四宮、宝亀2年(771年)創建の吾妻川沿い三社の一社
甲波宿禰神社(箱島) - 小野金善が川島から勧請した宿祢大明神、大ケヤキやコナラなど
甲波宿禰神社(行幸田) - 合祀した諏訪神社の獅子舞で有名な、吾妻川沿いではない論社
八幡鶴市神社 - 鶴女市太郎の人柱伝説と平安期から続く花傘鉾神事、現在は8月最終土日

鳴神社(和歌山市) - 紀伊忌部氏の氏神、三祭で幣帛に預かった紀伊名神大社四社の一社
彌刀神社 - 港を示す大水戸が近江堂に、長らく天王社、八坂社本殿が市指定文化財
都留彌神社 - 平安期創建、大干ばつで霊験発揮、旧地は今の布施戎神社の地
萩原神社(堺市) - 荻原天神、「太陽の道」日置、10月だんじり、1月に十日戎
由良湊神社 - 八幡と合併、2月ねり子祭り、7月水かけ祭、春秋に岬まつり

湊口神社 - 当初は港寄りに鎮座、純友の反乱、義経の祈願、湊口祭だんじり
高浜神社(吹田市) - 次田連の祖神を奉斎、吹田の始まり、吹田大宮・吹田神社
田土浦坐神社 - 田の浦明神、田之浦は田土浦の誤記? 美しい瀬戸内海の火除の神
飯野神社(北長太旭町) - 土の宮、相殿の天王社による長太天王祭、10月鯨船行事
石田神社(岩田茶屋ノ前) - 石田君の祖神、中世は物部系、惟喬親王の大将軍塚・御霊社

須須岐水神社(千曲市) - もとは式内・祝神社、須々岐水神も国史見、7月茅の輪まつり
清水神社(真島町) - 真島の地の蔵王権現、古市の里、式内は合祀の水戸神か?
漆山神社(村上市) - 直立100メートルの明神岩、頼家が矢で屋根を葺いた矢葺明神

【主な御神徳(ご利益)】
浄化除災・厄災除け、水運・海運、水難除け