光り輝く皇子よ、世界の隅まで支配なされるわが君よ~
新しい年が来て、また去っていく、
新しい月が来て、また去っていく。

だからあなたを待ちかねて~
私の着物の裾に月が立(経)っているのも当たり前でしょう~
(気にならないならおKよ!)

歌い手:美夜受比売(みやずひめ=ミヤズ)
出 典:待たされた二人には生理も関係ない? ヤマトタケルと嫁、嫁のあの日に初合体~
章立て:11.ヤマトタケル

美夜受比売(みやずひめ=ミヤズ)縦480px東国遠征から尾張(現 愛知県)まで戻って来た倭建命(やまとたけるのみこと=ヤマトタケル)と、約束通り初夜を迎えることになったミヤズ

しかし、ヤマトタケルがミヤズの着物の裾に血がついており、「もしかして、あの日ですか~」と歌います。これは、そのヤマトタケルの歌に返した歌です。

東国遠征は長期間にわたりました。尾張から出発し、尾張に戻ってきたヤマトタケル。出発の時にミヤズと結婚の約束をしたわけですが、待たされたのはヤマトタケルばかりではなく、ミヤズも一緒。

ようやく迎えた二人の初夜でしたが、まさかの生理。でもミヤズ、意に介しません。「あなたが待たせるから~、月が立ってしまってもしょうがない~」と、時間の経過と同時に、月経と掛けて歌い上げます。お見事!

この後、ふたりは生理も気にせず、結ばれるわけですから、ミヤズがこの歌に追記のような思いを込めたのは間違いないことだと思われます。

【一言切り取り】
ミヤズ「あなたが待たせるからいけないのよっ」
ミヤズ「“あの日”だけど、OKよ!」

※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。

照り輝く日のような御子樣
御威光すぐれたわたしの大君樣。
新しい年が來て過ぎて行けば、
新しい月は來て過ぎて行きます。
ほんとうにまああなた樣をお待ちいたしかねて
わたくしのきております打掛の裾に
月も出るでございましようよ。

【古事記の傾向と対策】古事記に収録されている歌113首の索引、リンク集

【パワースポット】
氷上姉子神社 - 大らかで前向きなミヤズに思いを馳せると人生楽しめる?

【関連キャラ】
ミヤズ - 「生理だけど、何か?」の奔放な姫
ヤマトタケル - はっちゃけ皇子の英雄譚、最期は?

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